ここでは、調査結果の地域別の相違について、さらに詳しく考察します。

  アジア太平洋 欧州 北米
 導入の現状 アジア太平洋10以上の機能を導入済みとの回答が多く、フルスタックオブザーバビリティの実現と成熟したオブザーバビリティの実践がもっとも多い 欧州10以上の機能を導入している傾向がもっとも低く、フルスタックオブザーバビリティの実現および成熟したオブザーバビリティの実践の回答がもっとも少ないものの、技術スタック全体にわたりテレメトリーデータを収集しているとの回答がもっとも多い 北米10以上の機能を導入済みだが、来年に1つ以上の機能を導入する計画はもっとも少ない
 監視ツール数 アジア太平洋複数のソリューションを好む傾向がもっとも高く、5つ以上のツールを使用し、多すぎる監視ツールが課題であると捉えているものの、来年にツール統合を行う計画はもっとも低い 欧州単一の統合型プラットフォームを好む傾向が高く、来年のツール統合計画も多い 北米単一の統合型プラットフォームを好む傾向が高く、単一のオブザーバビリティプラットフォームを使用し、全般的に少ない数のツール数を使用し、来年にツール統合を計画している傾向がもっとも高い
 テレメトリーデータ アジア太平洋より統合されたテレメトリーデータを持つ傾向がもっとも高く、ユーザーはテレメトリーデータと可視化への幅広いアクセスがあると回答 欧州よりサイロ化されたテレメトリーデータを持つ傾向が高いが、多くがテレメトリーデータはチーム間で共有できる単一画面に統合されていると回答 北米よりサイロ化されたテレメトリーデータを持つ傾向が高く、データのサイロ化が課題であるとし、テレメトリーデータがチーム間で共有する単一画面に統合されているとの回答と、テレメトリーデータと可視化への幅広いアクセスがあるとの回答がもっとも低い
 戦略 アジア太平洋どちらかというと、オブザーバビリティを、中核的な事業目標の達成要因であるとみなす傾向がもっとも強い 欧州オブザーバビリティを、中核的な事業目標の達成要因であると同時にインシデント対応/予防強化のためのものとみなす傾向がもっとも高い 北米どちらかというと、オブザーバビリティを、インシデント対応/予防強化のためのものとみなす傾向がもっとも高い
 システム停止の検知 アジア太平洋ソフトウェアやシステムの停止の検知には、主に手動(マニュアル)のチェック/テストや苦情、インシデントチケットで知ることがもっとも多い 欧州ソフトウェアとシステムの停止を主に単一のオブザーバビリティプラットフォームで検知することがもっとも多い 北米主に複数の監視ツールを通じてソフトウェアやシステムの停止を最初に検知することがもっとも多い
 ビジネスインパクトの大きいシステム停止のサービスレベル指標 アジア太平洋システム停止がもっとも頻繁で、MTTD/MTTRがもっとも遅い 欧州MTTRが最短 北米システム停止の頻度がもっとも低く、MTTDが最短
 年間のシステム停止コストの中央値 アジア太平洋1,907万ドル 欧州842万ドル 北米120万ドル
 年間のオブザーバビリティ支出と得た価値 アジア太平洋50万ドル以上を支出し、50万ドル〜500万ドルの価値を獲得したとの回答がもっとも多い 欧州10万ドル以上を支出したとの回答が多く、500万ドル以上の価値を獲得したとの回答がもっとも多い 北米10万ドル以下を支出し、50万ドル以下の価値を獲得したとの回答がもっとも多い
 年間ROIの中央値 アジア太平洋114% 欧州100% 北米100%
 来年に向けた導入価値を最大化させるための計画の上位2件 アジア太平洋オブザーバビリティツールを最大限活用する方法に関するスタッフトレーニング/エンジニアリングチームの規模の最適化 欧州オブザーバビリティツールを最大限活用する方法に関するスタッフトレーニング/ツールの統合 北米ツールの統合/オブザーバビリティツールを最大限活用する方法に関するスタッフトレーニング
 オブザーバビリティを促進する要因の上位2項目 アジア太平洋GPTなどのAI技術の採用/セキュリティ、ガバナンス、リスク、コンプライアンス重視の高まり(同率) 欧州セキュリティ、ガバナンス、リスク、コンプライアンス重視の高まり/ERPやCRMなどのビジネスアプリのワークフローへの統合 北米セキュリティ、ガバナンス、リスク、コンプライアンス重視の高まり/クラウドネイティブのアプリケーションアーキテクチャの開発
 フルスタックオブザーバビリティ実現への障壁の上位2項目 アジア太平洋価格が高すぎる/監視ツールが多すぎる 欧州監視ツールが多すぎる/価格が高すぎる 北米予算不足/価格が高すぎる