U.S.M.H|実店舗を利用する顧客58万人に「買い物DX」をもたらしたスマホアプリのサービス体験を向上

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利用用途

首都圏に展開するマルエツ、カスミ、イオンフードスタイルの500店舗以上で利用可能な、レジに並ばず買い物ができるスマホアプリ「Scan&Go」のサービス体験を向上させる

New Relicの導入目的と成果

  • アプリケーションおよびAWS システム環境に最適なオブザーバビリティ環境の整備
  • 実店舗での「買い物DX」を支えるデジタルサービスのバックエンドシステムとスマホアプリの可視化
  • New Relicの導入により、観測、監視、診断、看護という「4つの見る」を実践
  • 問題発生の把握に数時間を要し、原因不明のまま調査を終えていた不具合をNew Relicが解決
  • システムとアプリの安定稼働のトレンド観測を通じて「スマートで快適な買い物体験」を実現
  • POSデータではわからない「ユーザーの操作」などを観測しビジネス視点での活用を模索

利用製品

  • New Relic APM
  • New Relic Infrastructure
  • New Relic Browser
  • New Relic Synthetics
  • New Relic Mobile
  • New Relic Logs

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)は、マルエツ、カスミ、いなげや、イオンフードスタイルを傘下に持つ持株会社である。首都圏に763店舗を展開*し、売上高は1兆円を超えるなど、国内最大の事業規模を誇る食品スーパーマーケット企業連合としてイオングループの首都圏戦略を牽引している。同社 デジタル本部 エンジニアリング部 EA統制グループ マネージャーの新川太陽氏は次のように話す。*2026年4月10日現在

 

「U.S.M.Hグループは、マルエツ、カスミ、いなげや、イオンフードスタイルという4つのブランドと個性を生かしながら、連合体としてのスケールメリットを創出し、地域に深く根ざしたスーパーマーケット事業を展開しています。持株会社としてのU.S.M.Hは、グループシナジーを最大化するための経営戦略を策定するとともに、様々な全社施策をリードしています」

 

『お客さまと地域そして時代と結び合う』――U.S.M.Hはこのビジョンを実践するために、店舗運営と顧客対応を4つの事業会社に委ねながら、調達・物流の最適化、IT/DX基盤の共通化などを着実に推進している。

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ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社 デジタル本部 エンジニアリング部 EA統制グループ マネージャー 新川 太陽 氏

「私が所属するデジタル本部 エンジニアリング部では、グループ全体の視点でビジネス戦略に合致したシステムアーキテクチャを描き、システム設計・構築・運用とともに、技術の標準化・共通化も担っています。その一環として、2025年にオブザーバビリティツールを導入しました」(新川氏)

 

導入の狙いは、U.S.M.Hが提供するグループ共通のデジタルサービスの安定化である。背景には、U.S.M.Hグループの店舗で利用できるスマートフォン決済サービス「Scan&Go」の急成長があった。

 

「Scan&Goは、実店舗での『買い物DX』を実現するデジタルサービスとしてご好評をいただき、58万を超えるお客さまにご利用いただいています。多くのお客さまにご利用いただく中で、オブザーバビリティを通じてシステムの安定稼働を維持することが、よりスマートで快適な買い物体験をご提供することにつながると考え、取り組みに着手しました」(新川氏)

 

U.S.M.Hが採用したのはオブザーバビリティプラットフォームNew Relicである。新川氏は「システムやサービスの状態をきめ細かな粒度で数値化し、データという事実に基づく意思決定とアクションを実践していきたい」と力を込めた。

 

500以上の実店舗で「買い物DX」を実現

New Relicは業界を代表するオブザーバビリティプラットフォームであり、国内では48%のトップシェアを獲得している。デジタルサービスにおけるあらゆる重要指標の「観測」を可能にし、アプリケーション、インフラ、ユーザー体験の観測を通して、障害やサービスレベルの低下、潜在的な問題・ボトルネックを可視化する。新川氏は次のように話す。

 

「Scan&Goの最大の特長は『レジ待ちなし』です。お客さまは、スマートフォンアプリを立ち上げて選んだ商品のバーコードをスキャンし、クーポンの利用や会計をセルフサービスで行えます。この『スマホが自分のレジになる』デジタルサービスは2022年提供を開始し、現在は首都圏に展開するU.S.M.Hグループの500店舗以上で利用可能です」

 

New Relicは2025年6月に導入され、アプリケーションパフォーマンス監視(APM)を中心に、インフラ監視、外形監視、モバイル監視、ログ監視が実装されている。新川氏は、New Relic採用の決め手を次のように話す。

 

「私たちが欲しいシステム観測データを、New Relicでは簡単な実装で手に入れることができます。ダッシュボードを介して、関係者が観測データをリアルタイムで共有できることも大きなメリットです。また、ユーザー数と取り込むデータ量でコストが決まるシンプルなライセンス体系にも合理性がありました。繁忙期のサーバー台数追加時に追加契約手続きが不要であることは、環境変化に柔軟に対応していくうえで非常に有益です」

 

これまでの運用体制は、デジタルサービスのアプリケーション開発ベンダーとインフラ構築ベンダーが、それぞれの視点で、それぞれ異なるツールを使ってシステムの稼働状況を監視し、何らかの問題が発生したときにサービスの管理部署が報告を受ける仕組みだった。

 

「アプリケーション処理の遅延を検知したものの、原因を特定できないまま4時間後に初めて報告を受けるような事態も発生していた」(新川氏)という。New Relicがアプリケーション開発ベンダー、インフラ構築ベンダー、サービス管理部署とエンジニアリング支援部門の共通のモニタリングツールとして利用できるようになり、こうした状況は大きく改善した。

 

「平時と異常時の観測データを比較して傾向を把握できるようになったこと、これにより予兆を察知して障害の発生に備えられるようになったことが、私が感じている最大のメリットです。さらに、先の『4時間問題』では、New Relicでアプリケーションのコードレベルまで深掘りして原因を探索・特定し、不具合を改修して再発を防止することもできました」(新川氏)

 

観測、監視、診断、看護という改善サイクル

新川氏は、New Relicの利用を通じてSRE活動を推進し、顧客の実店舗でのデジタル体験を向上させるために「4つの見る」を実践している。

 

「New Relicの活用が進むにつれ、『異常を検知したらシステムを見に行く』というこれまでの習慣が、ダッシュボードで『システムに異常がないかを常に見る』という行動に変わりました。さらに、New Relicの観測データを活用することで、システムを『見る』という私たちの業務を、①観る(観測)、②監る(監視)、③診る(診断)、④看る(看護)という4つの切り口で深化させています」(新川氏)

 

①観測:「ダッシュボードを眺める会」を定期的に実施し、システム監視に携わるメンバーが予兆のポイントを理解

②監視:スマホアプリの操作やAPIの応答時間、アプリケーションのエラー率などを可視化しユーザー体験を把握

③診断:ログ収集の手間を解消、アラート発報を受けてAPMで異常箇所を絞り込み、速やかに観測データとログを分析

④看護:観測データという「事実」に基づき原因を仮定・対処し、継続的に観測・評価することで着実な改善を実施

 

新川氏は、「システム監視に携わるメンバーに『予兆から対応策を考える意識』が定着化したことに大きな意義を感じています。ユーザー体験を把握しながら問題解決に先手を打てるようにもなりました。New Relicのダッシュボードでは、システムの状態を俯瞰的に見て状況を把握し、直感的な操作で不具合の原因を探っていくことができます。原因調査にかかる工数が大幅に削減されたことで、システムの改善に力を注ぐことができるようにもなりました。さらに、エンジニアリング部では、コストをかけてシステムを改修すべきかの判断や、改修によってどれだけの効果が得られたかを定量的に評価できるようになったことも重要です」と評価する。

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観測データの「ビジネス活用」を指向

New Relicの活用の進展とともにScan&Goのサービス品質は着実に向上している。たとえば、決済に遅延が発生したときには、New Relic Mobileでユーザーの決済画面での待ち時間を、APMではAPIや決済システムの応答時間を把握しながら、速やかなパフォーマンスボトルネックの特定と改修が可能になった。新川氏は、「エンドツーエンドのオブザーバビリティを進化させ、さらにユーザー体験を磨き上げていきたい」と話しつつ次のように続けた。

 

「New Relic Mobileでは、特定のOSバージョンだけで発生する、通常であれば見逃されそうな不具合を検知してアプリを改修することができました。こうしたNew Relicの優れたオブザーバビリティ機能を、ビジネス視点でも活用できるのではないかと考えています。一例ですが、POSデータとは違う視点で観測データを活用するアイディアを練っています」

 

POSはスーパーマーケット事業の中核システムであり、経営判断と店舗オペレーションに欠かせない情報を提供しているが、「すべての情報が見える」とは言い切れない。

 

「Scan&Goでは、お客さまが『ある商品をいちどスキャンしたが取り消した』といった行動も現れます。お客さまに『売れたデータ』だけでなく、お客さまが『買わなかったデータ』も活用できるとしたらどうでしょう。お客さまの操作や体験をNew Relicで可視化すれば、POSでは手に入らなかった『現場を動かすためのより鮮度の高い情報』を提供できるかもしれません」

 

新川氏は、「今後はNew Relicの活用をいっそう高度化しつつ、Scan&Goと連携するシステムにもオブザーバビリティを適用していきたい」と話しつつ次のように結んだ。

 

「オブザーバビリティの可能性の大きさを日々実感しています。New Relicはシステムとサービスの安定化に貢献するだけでなく、ビジネス視点で有益なデータを提供できるポテンシャルがあります。たとえば、アプリケーション上でよく使われている機能と使われていない機能を把握し、開発資源の選択と集中の意思決定を促進します。またNew Relicの観測データから、イオングループのクーポン利用件数を店舗ごとにリアルタイムで把握する構想もあります。また、オブザーバビリティの実装が容易で、システムやサービスの品質向上の方に工数をシフトできるメリットも見逃せません。New Relic日本法人には、私たちのような事業者へのSRE支援とツール活用支援に期待しています。そのバトンを通じてお客さまの暮らしをより豊かにしていきます。これからも変わらぬサポートをよろしくお願いいたします」

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