ADWAYS DEEE|「攻めのAI開発」に必須なオブザーバビリティを実装し、ユーザーストーリー起点のプロダクト開発を推進

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利用用途

AI生成コードの実装に伴うブラックボックス化やマージリードタイムの増加、非機能要件の劣化を防ぐオブザーバビリティ基盤として導入。テスト環境から本番環境までのシステムの振る舞いを一貫して監視・検証

New Relicの導入目的と成果

  • フルスタックなオブザーバビリティをテスト環境から本番環境にまで導入し、AIが実装したコードの振る舞いを一気通貫で可視化
  • New Relic Ground Truth (MCPサーバー)とClaude Codeの連携により、検証環境でのシステムの振る舞いをもとに品質劣化を検知
  • 非機能面の劣化を即座に検知・AIが修正することで、目視依存を脱却し開発速度と高品質を両立
  • コード生成から本番反映までの時間を短縮。本番リリース後の手戻りも削減
  • 「開発生産性5倍」という目標へ向け着実に推進

利用製品

  • New Relic APM
  • New Relic Logs
  • New Relic Real User Monitoring
  • New Relic AI
  • New Relic Ground Truth
  • AWS Integration / Google Cloud Integration

広告の1クリックが顧客の売上に直結。妥協できない「品質」

ADWAYS DEEEは、アドウェイズの100%子会社として2023年に設立された広告テクノロジー企業だ。60万超のパートナーサイトを活用した国内最大級のアフィリエイトサービスである「JANet」をはじめ、アプリサービス向けにCPI(Cost Per Install)やCPE(Cost Per Engagement)など多彩な成果地点に対応する「Smart-C」、ポイントサイトの裏側を支えるリワード広告サービス「AppDriver」など、広告プラットフォームを幅広く展開。クライアント企業の高い広告効果と収益化を支援している。

 

同社のシステムは、膨大なトラフィックを遅延なく処理するパフォーマンスと、24時間365日の絶対的な安定稼働が求められる。その根底には、広告ビジネス特有のシビアな要件がある。

 

同社 取締役CTOの大曲智久氏は、「広告のクリックやコンバージョン、リワードに関する計測データは、お客様の売上や私たちの機会損失にダイレクトに直結します。トラッキング漏れや不整合は絶対に許されません。そのため、アクセスログを網羅的に記録し、何かあればすぐに調査できるよう、あたかも『保険に保険をかける』ような入念な設計思想がシステムに根付いています」と語る。

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株式会社ADWAYS DEEE 取締役CTO 大曲 智久氏

一方で顕在化していたのが、システムのレガシー化の問題だ。同社 技術改善ディビジョン ゼネラルマネージャの岡村晋平氏は、「特にJANetのように20年以上の歴史を重ねてきたサービスでは、古いデータベース設計やコアロジックが新機能開発の足かせになることがありました」と振り返る。

 

そこで同社は、2023年末頃から基盤システムのモダナイズプロジェクトを始動。新たなインフラはオンプレミスとAWSを併用したハイブリッド環境となり、JANetについてはすでにクラウドへの完全移行を終えた。さらに同社は、プロダクト開発そのものの変革にも乗り出した。「ユーザーストーリー」を軸とした開発プロセスへの転換である。ここでいうユーザーストーリーとは、ユーザーが認識する「最小の価値」を定義し、その目的達成のために必要な機能や体験を明確化する手法だ。同社は「なぜそれをやるのか」という「Why?」を、PdM(プロダクトマネージャ)とエンジニアが密に議論しながら合意し、積み上げていく単位として、このユーザーストーリーを活用している。

 

開発生産性「5倍」の壁。AIコードの増大が招いたレビューの限界

同社では、人間が「Why?」の議論と企画やその検証に専念し、質の高い広告サービスを生み出すためにも、その他の業務においては積極的にAIの活用を推進している。AIコーディングについても積極的に取り組んでおり、2025年5月頃から、社内の約35名のエンジニア全員にAIコーディングエージェント(Claude Code)を導入。「開発生産性5倍」という高い目標を掲げて推進した結果、導入初期から生産性は2〜3倍、上位チームでは4倍近くに跳ね上がった。

しかし、AIによってコードの実装速度が上がったことで、品質を担保するための「守り」のプロセスにはボトルネックが生じ始めていた。

 

「AIの導入により、日々大量のコードは生成される一方で、数年前と比べて『人間が見るコード』の量が5倍、10倍に増えました。エンジニアが疲弊せずに、これまでと同じ高い品質でレビューし続けられるかというと、やはり後工程で限界が来ていました」(岡村氏)

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株式会社ADWAYS DEEE 技術改善ディビジョン ゼネラルマネージャ 岡村 晋平氏

AIは一見して正しそうなコードは書けても、長年運用してきたシステムの仕様や非機能要件までは理解していない。そのため、仕様に合致しないコードが生成され、人間による目視レビューのコストが跳ね上がり、結果として本番反映までのリードタイムが増大していた。

 

「当初から目標としていた『開発生産性5倍』の壁を突破するためには、これまでと違った打ち手が必要だと感じていました」と大曲氏と岡村氏は口を揃える。

 

なぜNew Relicか。フルスタックな観測と「全環境可視化」の強み

人間による力技のレビューから脱却し、AI生成コードの品質を担保しつつ開発スピードを上げていく。そこに貢献しているのが、オブザーバビリティプラットフォームとして導入されたNew Relicである。

 

New Relicは業界を代表するオブザーバビリティプラットフォームであり、国内では48%のトップシェアを獲得している。デジタルサービスやビジネスプロセスにおけるあらゆる重要指標の「観測」を可能にし、アプリケーション、インフラ、ユーザー体験の観測を通して、障害やサービスレベルの低下、潜在的な問題・ボトルネックを可視化する。

 

実は、New Relic導入前のADWAYS DEEEでは、インフラの監視用途で他社製のオブザーバビリティツールを導入していた。しかし、監視対象システムのホスト単位で利用コストが変動するため、インフラ以外のアプリケーション層などの監視は縮小傾向にあり、RUM(リアルユーザーモニタリング)もコスト面から十分に活用しきれていなかったという。そこで、ユーザーライセンスとデータ転送量で課金されるシンプルかつコストの予測がしやすいNew Relicが評価された。

 

「基盤システムのモダナイズやレシートリワードのような新サービスの拡大に伴い、プロダクトのロジックそのものが複雑化しています。複数のユーザーストーリーが積み重なった振る舞いを検証する過程で、インフラだけでなく、アプリケーション内部で用いるデータや挙動までしっかり精査する必要がありました。New Relicなら、以前のインフラだけを監視していたコストと同等の費用感で、インフラだけでなく、New Relicが強みを持つAPMや、RUMまでフルスタックですべて見ることができます」(大曲氏)

 

また、AI駆動開発におけるフルスタックなオブザーバビリティの重要性については、岡村氏も「アプリケーションのインプットとアウトプットだけを見ていても、失敗したときにどこに原因があったのかわかりません。これに対して、フロントエンドからバックエンドまで一貫してトレースが取れていれば、どこで何が起きたかをすぐに把握できます。AIが生成したコードは、エンジニア自身が細部まで把握しきれていないことも多いため、なおさらオブザーバビリティの価値が高まっています」と指摘する。

 

大曲氏は導入後のメンバーの変化について、「以前はコスト増を気にしてAPMの利用を控え、CloudWatchで済ませていた開発メンバーたちも、New Relicなら躊躇なく利用できます。『せっかく便利な仕組みが導入されたのだから、バンバン使っていこう』と、皆のマインドは大きく変わりました」と付け加える。

 

さらに、他社製のツールでボトルネックだったのが、コストの配慮から「本番環境」にしか監視ツールを入れられず、テスト環境のデータが取れていなかったことだ。これは将来的にAIによる生成コードが増えるほど、深刻な問題になっていくと考えられた。

 

「AI生成コードの品質を本番リリース『前』に担保するためにも、テスト環境で実際にコードを動かした際の挙動の可視化が絶対条件です。また、テスト環境と本番環境を両方監視できていれば、本番リリース後もテスト環境と同じようにコードの挙動を引き継ぐことで品質管理がしやすく、何か問題が起こった際の対応も早くなります。New Relicの、コストを気にすることなく『テスト環境から本番環境まで遠慮なく入れられる』という点も、AI開発ワークフローの確立のための大きな利点だと考えました」(大曲氏)

 

Ground Truth (MCP) がコンテキストをつなぎ、AIが自律的に動く

現在、ADWAYS DEEEはNew Relicをテスト環境および本番環境に導入し、AIコーディングとオブザーバビリティをシームレスに連携させた開発フローを確立している。その中核を担うのが、AIと外部データソースを接続する「New Relic Ground Truth (MCPサーバー)」の活用だ。

 

具体的には、まずテスト環境のリポジトリ内にAI生成コードやユーザーストーリーを格納し、それが実際の振る舞いとして成立していることをAPMでチェックする。AIが生成したコードを実際に稼働させた際、New RelicのAPMやLogsがシステムの振る舞い(エラー、遅延、リソース消費など)をリアルタイムに収集する。この稼働環境のデータ(コンテキスト)をMCP経由でAIエージェントに直接連携することで、非機能面の劣化を即座に検知し、自律的な修正ループを回すことが可能になった。

 

「AIのコード品質が下がる根本的な理由は、実際の稼働環境や『ユーザーストーリー』に関するコンテキストを持っていないからです。New Relic ならテスト環境でのシステムの振る舞いを、MCPを介してAIに直接読み込ませることができる。このアプローチを知った時、私たちが抱えていた『AIのコンテキスト不足』を根本から解決できるポテンシャルを感じました」(岡村氏)

 

この取り組みにより、開発スピードを向上させながら、AIが生成したコードの品質を担保できるようになった。こうして確認した挙動と、本番リリース後の挙動が同じ流れになっているかどうかを、一貫したチェック結果に基づいて突き合わせている。テスト環境と本番環境の分断が解消されたことで、バグ発生時も即座に原因を追及できるようになった。コード生成から本番反映までの時間短縮にも貢献しているという。

 

「以前は本番環境へのマージに2〜3日かかっていたのですが、Claude Codeの活用に伴い、1日程度でできるようになりました。さらに、New Relicによってテスト環境からリリース後までの一貫したチェック体制が整ったことで、1日に3〜5回など、複数回マージするような高頻度な開発サイクルにも、堂々と踏み込めるようになっています。また、AIコーディングによって増大しがちな、本番リリース後の手戻り工数も、New Relicによって確実に削減されています」(大曲氏)

 

「AI駆動開発において土台となるこうした部分を押さえないと、開発生産性5倍というゴールに辿り着くことはできません。その意味でNew Relicは、当社にとって不可欠なピースの一つとなっています」(岡村氏)

 

New RelicはAI開発で「攻める」ために必須なツール

ADWAYS DEEEは、AIに実務を任せ、人間が「Why?(ユーザーストーリー)」にフォーカスする理想的な開発組織へと進化を遂げつつある。New Relicのフルスタックかつ環境横断的なオブザーバビリティは、AIによる生成コードの品質リスクを低減し、彼らの挑戦を根底から支えている。

 

「オブザーバビリティは、よく言われるような本番環境の『守り』としてのツールではなく、逆に『攻め』のツールとして活用すべきだと考えています。私たちは、ユーザーストーリーの実現と相対する開発フローとしてオブザーバビリティを導入しました。それは守りのためではなく、いかに『Why?』を実装するプロセスと開発フローを接続できるかという挑戦のためです。そこがより確立すれば、さらに早くコードをリリースすることができ、生産性にもさらに寄与するでしょう。『守る』ために導入を検討するのではなく、AI開発時代に『攻める』ためには必須と言えるツールだと考えています」(大曲氏)

 

「AIコーディングエージェントを最大限に活かしたプロダクト開発に、New Relicという『攻めるためのガードレール』があるからこそ安心して踏み込める、という実感があります。人間は最も大事なユーザーストーリーの設計やそのロジックのレビューといった根幹に集中し、AIが書いたコードはAI自身とNew Relicのデータによって品質を担保し、レビュー労力を極力減らしていく世界を目指します」(岡村氏)

 

広告ビジネスの生命線であるデータの品質を守り抜きながら、開発生産性5倍という高い目標へ。ADWAYS DEEEの「攻めの開発」は、強固なガードレールを得て、さらに加速していく。

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