New Relic Now 新しいAgentic Integrationsのデモを6月24日に実施
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累計ユーザー数6,400万人突破。「モンスト」の超人気と膨大なユーザー体験を、技術力・チーム力・ツールの力で支える

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利用用途

超人気のスマホアプリゲーム「モンスターストライク(モンスト)」のサーバーアプリケーションをNew Relicによって観測し、開発・運用の人員が一体となって性能問題にプロアクティブに対応するための環境を整備

New Relicの導入目的と成果

  • サーバーアプリケーションにおけるデータベースの性能問題にプロアクティブに対応できる仕組みと体制の確立
  • 丸1日かけていたデータベースのアクセス傾向や性能問題の調査・分析・可視化プロセスを自動化・標準化
  • 性能問題の可視化を通じたシステム改善意識の向上
  • データベースの性能改善によるログイン、課金、ガチャなどの処理速度の向上
  • 導入から約3ヶ月で、最重要イベントであるガチャの全体処理時間200-300ミリ秒のうち20-30ミリ秒を短縮し、パフォーマンスが10%アップ
  • 膨大な数のアクセス、トランザクションが集中するモンストの年末年始イベントにおけるデータベース性能のアップを目指す

利用製品

  • New Relic APM

「日本で最も稼ぐモバイルゲーム」モンストの信頼性を守るプロアクティブな運用体制

株式会社MIXIは、「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」というパーパス(存在意義)のもと、友人や家族間で一緒に楽しむコミュニケーションサービスを提供している。現在は主に「モンスターストライク」「コトダマン」などのデジタルエンターテインメント領域、共遊型スポーツベッティングサービス「TIPSTAR」などのスポーツ領域、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」などのライフスタイル領域で事業を展開している。中でも10年以上の長きに渡ってスマホアプリゲームユーザーから圧倒的な支持を受けているのが“ひっぱりハンティング”で一世を風靡した「モンスターストライク(以下、モンスト)」だ。

 

モンストは、自分のモンスターを指で引っぱって弾き、敵のモンスターに当てて倒していくというシンプルな操作性や爽快なアクション、ゲーム内で強力なアイテムやキャラクターをランダムに獲得できる「ガチャ」、そして最大4人の友達と一緒に遊べる「協力プレイ(マルチプレイ)」などを特長とするスマホアプリゲームだ。2013年の提供開始以来、日本を中心に台湾、香港などでもユーザーを急速に増やし、2025年5月時点で累計ユーザー数は6,400万人を突破している。また、2024年の年間のモバイルゲーム収益では国内トップにランクインし(Sensor Tower社調べi, ii)、MIXIの収益の柱ともなっている。

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そうした人気の高さゆえに、モンストを支えるサーバーシステム(サーバーアプリケーション)にかかる負荷は大きい。とりわけ、多数のユーザーが参加し、ガチャを通じてキャラクターを積極的に購入する恒例の年末年始イベントの開催時には、膨大な数のアクセスやトランザクションが集中する。そんな高負荷の発生時でも、サーバーアプリケーションを安定的に稼働させる役割を担っているのが、MIXI デジタルエンターテインメントオペレーションズ本部 モンスト開発部に属するモンストサーバグループだ。

 

その役割を担う上での方針、目標について、モンストサーバ2グループのマネージャー、王 奇氏は「デジタルエンターテインメント事業は、当社の柱であり、モンストは本事業の主力です。システムの障害や性能の劣化は、その売上ダウンに直結する問題ですので、それを引き起こさないようにすることが、モンストサーバグループの大きなミッションといえます」と述べる。

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デジタルエンターテインメントオペレーションズ本部 モンスト開発部 モンストサーバ2グループ マネージャー 王 奇(オウ キ)氏

加えて同氏は、こうも続ける。

 

「モンストサーバグループは2つあり、私がマネージする2グループは、SRE(Site Reliability Engineering:サイト信頼性エンジニアリング)やソフトウェア基盤に関する知見とスキルを持った人員で構成され、主にサーバーアプリケーションの運用を担当しています。当グループで重視している方針は、性能問題へのプロアクティブな対応です。いつの時点で、どの程度の負荷が発生するかを見定めながら、性能問題の発生を未然に防ぐ対策を講じるよう心がけています。また、性能問題の発生時にその原因を速やかに特定し、対処するための仕組みと体制の強化にも力を入れています」

 

この言葉を受けたかたちで、王氏と同じモンストサーバ2グループでチームリーダーを務める松原 信忠氏は「我々はモンストを10年以上運用しているので、年末年始のイベントや新しいコンテンツの追加、あるいは人気アニメとのコラボといった企画を展開した際に、どの程度の負荷が発生し、それによってどんな障害が起きやすいかはある程度把握できています。そうした経験知を土台にしながら、ユーザー離れやキャラクター販売の機会損失を生まないよう、ログインやガチャ、課金の処理やユーザーアクションに伴う非同期処理(バッチ処理)の遅延あるいは停止を、未然に回避する努力を続けています」と明かす。

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デジタルエンターテインメントオペレーションズ本部 モンスト開発部 モンストサーバ2グループ チームリーダー 松原 信忠氏

こうした取り組みを強化する一策として、同社に採用されたのがNew Relicである。

豊富な実績と導入のしやすさからNew Relicを選択

New Relicは業界を代表するオブザーバビリティプラットフォームであり、国内では46%のトップシェアを獲得している。デジタルサービスにおけるあらゆる重要指標の「観測」を可能にし、アプリケーション、インフラ、ユーザー体験の観測を通して、障害やサービスレベルの低下、潜在的な問題・ボトルネックを可視化する。

 

MIXIのモンストサーバグループでは2024年末にNew RelicのPoCを実施し、2025年1月から本番運用を始動させている。New Relic APMによる観測対象としているのは、数百台のオンプレミスサーバで運用されているモンストのサーバーアプリケーション群だ。その観測結果は、モンストサーバ2グループの人員と、もう1つのモンストサーバグループであり、サーバーアプリケーション群の開発を主に担う「モンストサーバ1グループ」の人員(総勢約20名)で共有している。さらに、New Relic APMによる観測対象として、モンストユーザーによるアクションを非同期で処理(バッチ処理)するシステムも追加される予定だ。

 

New Relicによるシステム観測に乗り出した目的について、王氏はこう明かす。

 

「我々がNew Relicによる観測の主たる対象にしているのは、サーバーアプリケーション群におけるデータベース処理です。その観測を通じて、データベースでいま何が起きているかをリアルタイムに可視化して、ログインやガチャ、課金を巡る性能問題の原因を速やかに特定し、その改善や迅速な解決につなげることを目指しました」

 

王氏によれば、New Relicを導入する以前は、モンストにおけるデータベース処理の性能問題の原因を特定するのには、相応の手間と時間を要していたという。

 

「以前は、例えば、サーバーアプリケーションにおけるデータベースの性能を分析して、ボトルネックやパフォーマンス低下の原因を特定するには、データベースプロファイラをセットして起動しなければなりませんでした。また、データベースにおけるアクセス状況を知るには、大量のログを使ってアクセスパターンを分析する必要がありました。これらの作業をこなすには、作業前の準備だけでも相応の手間と時間を要していたのです。それを何とか減らし、開発・運用の限りある人的リソースの業務負担を低減させたいと考えたことが、New Relicの導入につながりました」(王氏)

 

オブザーバビリティやAPMを実現する製品は、New Relic以外にもある。その中で、New Relicを採用した理由として、王氏と松原氏は「UIの分かりやすさ」や「豊富な実績」を挙げる。この点について王氏は次のように説明する。

 

「我々は従来、性能問題の原因調査にかなりの手間と時間をかけていたほか、データ収集に使用してきたツールや方法も独自性が強く、新しいメンバーが、そのやり方を習得するまでに相応の時間を要していました。この問題を解決するために、豊富な実績を持ち、かつUIが分かりやすく、誰にでもすぐに扱えるようなツールを使ってプロセスの標準化を図りたいと考えたのです。New Relicは、そのニーズを十分に満たす製品でした」

 

加えて松原氏は「当社の場合、『家族アルバム みてね』など、モンスト以外のデジタルコンテンツを担当するチームが、New Relicを使ってアプリケーションを観測し、成果を上げているという実績があります。そのため、New Relicを有効に活用するためのノウハウが社内に蓄積されているほか、New Relic Japanチームとの良好な関係も築かれていました。それもNew Relicを選んだ大きな要因です」と明かす。

 

さらに、王氏はNew Relicのコストコントロールのしやすさも評価したという。

 

「New Relicでは、観測対象のサービスの数ではなく、ユーザー数やデータの流量によって使用料が決まる料金体系を採用しています。多数のサーバーを使ってアプリケーションを運用しなければならない我々にとって、New Relicの料金体系はコストコントロールのしやすい、魅力的なものでした」

 

問題の可視化が改善の意識を高め、ガチャ速度の改善へ

New Relicは、本格運用の開始からすぐに一定の効果をモンストサーバグループにもたらしている。その点について王氏は「最も大きな効果は、データベースの状態がリアルタイムに可視化されるようになったことです。以前は、データベースへのアクセスパターンを分析して見える化する作業に丸1日をかけていました。その作業がNew Relicによって自動化され、リアルタイムのアクセスパターンが一目で確認できるようになったのです。これにより、データベースの性能をさらに向上させようとする意識の高揚へとつながっています」と指摘する。

 

この意識の高まりは、実際の改善にもつながっている。

 

王氏は「例えば、最も重要なイベントである「ガチャ」における全体処理時間200-300ミリ秒のうち、20-30ミリ秒が短縮され、平時の平均値よりも10%程度アップさせるという成果を上げています」と明かす。

 

こうした成果を踏まえながら、王氏はNew Relic活用の今後についてこう展望する。

 

「モンストでのNew Relic活用はまだ始まったばかりの状況です。同製品の機能を使い切れていませんし、手探りの部分も多く残しています。これからは、New RelicのAI関連機能などの使用も視野に入れながら、データベース周りの観測のみならず、エラーやキャッシュの観測にもNew Relicを適用し、監視やレポーティングの自動化をさらに推し進めたいと考えています」

 

さらに、松原氏はNew Relicの活用について次のような期待を寄せている。

 

「スマホアプリゲームは、その人気を維持するために機能の改善・追加が頻繁に行われます。その中でサーバーアプリケーションの性能を高いレベルで保つためには、アプリケーションを開発した当事者が、New Relicなどを使いながら、自ら問題点を洗い出し、性能改善を図っていくのが理想であり、効率的です。モンストサーバグループ全体でのNew Relicの利用をより活発化させ、日常化させることで、そうした理想が実現されると期待しています」

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