成功するデジタル企業の中核にあるのは、顧客へのコミットメントです。ウェブサイトの動作が遅い、あるいは応答が悪いと、コストのかかる電話がすぐにカスタマーサービスにかかってきたり、購入を完了する前にユーザーが離れてしまったりする事象が生じます。最悪の場合、ソーシャルメディアにネガティブな体験が投稿され、ブランドの評判やユーザー維持率に影響が及んでしまいます。業界のリーダーはこれを認識しており、景気が低迷しているにもかかわらず、デジタルエクスペリエンスモニタリング(DEM)技術への投資は過去2年間で急増しています。Gartnerによると、DEMの導入は2027年までに、すべての業界に渡り60%から90%に増加すると見込まれています。 

すでに16,000社以上のグローバル企業が、New Relic DEMをはじめとするDEMソリューションを活用しており、ユーザー体験を向上させ、デジタルプレゼンスを完全なものにしています。その結果、目に見える形で一定の投資利益率(ROI)を達成しています。中南米最大のeコマースエコシステムであるMercado Libreのような大手企業では、ウェブサイトのレスポンスタイムを50ミリ秒未満に短縮したことで、コンバージョン率を高めることができました。同様に、オーストラリア最大手の商業テレビネットワークであるThe Seven Network(通称:チャネル7)は、AFLグランドファイナル、2020年夏季オリンピックおよび2022年冬季オリンピックといった主要イベントのライブストリーミングで100%の稼働時間を達成しました。こうした例は、ビジネスの成功にとってDEMがいかに重要かを物語っています。

入門:デジタルエクスペリエンスモニタリング

完全統合型のDEMソリューションは、デジタルサービスのすべてのタッチポイントにおいて企業によるユーザー体験の監視、分析、最適化を実現します。New Relic DEMをはじめとする統合型モニタリングツールを活用することで、企業は技術スタック全体からユーザー体験に関わる重要な洞察を取得し、ユーザー体験の毀損を未然に防ぐことができます。また、New Relic DEMによって、組織はChatGPTのような急速に進化するAI技術を導入できるようになります。AI技術はデジタルサービスに大きなメリットをもたらしますが、一方で新たな要素の導入によってシステム構成の複雑化や不確実性の増加を招きます。AIアプリケーションを含むあらゆるアプリケーションにおけるユーザーインタラクションを監視することで、どのユーザーインタラクションにおいてもスムーズで一貫したユーザー体験が確保できるようになり、企業は自信を持ってAIを導入できるようになります。

以下、ユーザー体験の実用的なインサイトを得るうえで不可欠なDEMの各種要素についてご紹介します。

リアルユーザー監視(RUM)

RUMは、ウェブとモバイルの両方のプラットフォームにおいて、ユーザーインタラクションに関する包括的なビューを提供します。この機能によって、チームはパフォーマンスのボトルネックを迅速に特定し、ユーザーパスを最適化できます。RUMで得られる詳細情報を分析することによってチームはユーザー体験を最適化し、改善できるようになります。その結果、ユーザー満足度を大幅に向上させ、コンバージョン率を高めることができます。New Relicの統合型ソリューションは、リアルユーザー監視(RUM)と、APM 360、Errors Inbox、AIモニタリングなど、ユーザー体験の把握と改善に必要なすべての機能を単一のプラットフォームに統合し、アプリケーションスタック全体のデジタル体験に関する包括的なビューを提供しています。これにより、UI、アプリケーション、およびそれらの基盤となるネットワークとインフラストラクチャがさまざまな利用体験にどのような影響を与えているのかを十分に把握できます。

セッションリプレイ

実際のユーザーセッションを動画スタイルでプレイバックできるセッションリプレイを利用すれば、ユーザーの操作や直面した問題を直接確認できるようになります。この機能は、ユーザーがアプリケーションとどのようにやり取りしているのかを正確に表示できるため、状況の確認や必要な改善について関係者の合意を形成するうえで有用です。ユーザーセッションを動画のような形式で可視化することで、問題をコードレベルまで特定できます。New Relic Session Replayのような高度なソリューションでは、フォーム送信の失敗など、各インシデントに至るまでのユーザー行動をはじめ、重要なインシデントを100%キャッチすることに重きを置いています。優れた洞察を得るうえで、一つひとつのセッションを録音する費用や、サンプルの録音を選別する手間はもう必要ありません。

外形監視

外形監視(合成テスト)は、ユーザーからのアクセスを模倣したテストを事前に行なってエラーを潰すことで、ユーザー体験の毀損を未然に防ぐことを可能にし、アプリケーションが期待どおりに動作することを保証します。また、問題が発生した場合は、外形監視により事前にシミュレートされたユーザー行動から原因をすばやく特定できます。さらに、さまざまなシナリオ、デバイスの種類、地理的な場所に応じたユーザー行動をシミュレートすることもできます。チームは、一連のユーザー操作に関わるアプリケーションパフォーマンスを把握し、最優先事項の最適化をより洗練させることができるでしょう。New Relicの統合型外形監視では、ロボットクライアントアプリケーションを使用して、自動化されたトランザクションを送信します。主要なアプリケーション領域におけるユーザーの各種操作をエミュレートすることで、APM、ブラウザ、モバイル、サーバーレス、OTelエンティティを通じ、アプリケーションスタック全体にわたる問題を発見できます。外形監視がエラーを検出すると、エラーはErrors Inboxに送信され、解決に向けたフラグが立てられます。これにより、スムーズなユーザー体験が確保されます。

Mobile User Journeys(クラッシュ分析)

モバイルアプリのクラッシュが頻繁に起こると、ユーザー体験が低下し、開発に遅れが生じます。クラッシュ分析を利用して、頻繁に起こる問題を特定し、対処することで、より安定した信頼性の高いモバイルアプリ体験を実現できます。クラッシュ解析データに基づいてバグ修正の優先順位を決めることで、アプリの安定性を大幅に改善し、全体的なユーザー体験を向上させることができます。New Relic Mobile User Journeysならこのプロセスを合理化できます。ブレッドクラム(パンくずリスト)、HTTPイベント、処理された例外を含む、基本的なページビュー以上の詳細な洞察を提供することで、問題解決の迅速化とモバイルユーザー体験の強化を促進します。

New Relic DEMでデジタルの成功を実現する

エンドユーザー体験の測定と最適化はもはやオプションではなく、今日のデジタルビジネスにおいて競争力を維持するための必須事項です。ブラウザ監視モバイル監視をはじめとするリアルユーザー監視(RUM)外形監視APM 360Errors Inboxと統合することで、New Relicは、ユーザー視点の包括的な可視性を確保する統一的なアプローチを提供するとともにユーザー体験全体の管理、インシデントの迅速な管理と最適化を実現します。