New Relicが、ソフトバンクのエンタープライズ向け生成AIサービス「satto workspace」に採用
サービスのPoC段階からオブザーバビリティが実装され、BizDevOps体制の土台を構築
デジタルビジネスにオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームを提供するNew Relic株式会社(本社:東京都中央区、以下「New Relic」)は、ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、以下「ソフトバンク」)が開発を進める、資料作成業務を支援するエンタープライズ向け生成AIサービス「satto workspace(サット ワークスペース)」に、オブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」が導入されたことを発表します。
satto workspaceは、日本のナレッジワーカーが多く時間を費やしているビジネス資料作成のプロセスを効率化する革新的なSaaSサービスです。自然言語によるAIとの対話を通じて、資料作成に必要な情報収集から資料の構成・表現までを一気通貫で支援します。同サービスは、2025年7月に開催された『SoftBank World 2025』で発表され、2026年春をめどに正式リリースが予定されています。
導入の背景と経緯
satto workspaceでは、サービスの開発・稼働基盤としてAmazon Web Services(AWS)とGoogle Cloud Platform、Microsoft Azureのマルチクラウドが採用され、かつ、ユーザー企業の情報を保護するためにシングルテナントでサービスが提供されます。そのため、テナントごとにサービスの状態を監視しなければならず、ユーザー数が増えるにしたがって、その業務負担が大きく膨らむことが予想されました。この課題を解決するために、オブザーバビリティによって数百、数千規模のテナントの状態を統合監視できるようにすることが必要と判断されました。
また、satto workspaceでは、ビジネスと開発、運用が一体となってプロダクトの価値を高めていくBizDevOpsの構築を目指しています。BizDevOpsを実現するための最初の一歩はDevOpsの実現ですが、DevOpsの実現のためにはソフトウェアプロダクトを開発したエンジニアが、運用を自ら担える能力を身につけることが重要です。そのための有効な手段の1つがオブザーバビリティの実現であり、それによって、プロダクトの状態を詳細にとらえられるようにすることが必須でした。
BizDevOpsにおけるビジネスの観点からは、サービス運用のクラウドコストを適正化することも、サービスレベル目標(SLO)のもとでサービス品質を良好に保ち、良質なユーザー体験を提供し続けることも重要です。そのためにも、オブザーバビリティによって、サービスのフロントエンド、バックエンド、そしてインフラから重要指標を収集し、分析・可視化することが不可欠でした。
New Relicの導入と効果
このような背景のもと、複数のオブザーバビリティ製品の比較検討が行われ、特にその先進性が評価され、New Relicの導入が決定しました。satto workspaceの開発においては、良質な開発者体験を提供し、生産性を最大限に高めるべく先進のフレームワークが採用され、かつ、GitHubプラットフォームとコーディング支援のAIツールを使った開発プロセスの自動化・効率化も図られています。このような環境が整備される中で、2024年2月、New RelicがAIを使ったコーディング支援ツール「GitHub Copilot」 にインテグレートされ、アプリケーション性能の最適化やデプロイメント管理にフィットした洞察を提供するとの発表が行われました。AIエージェント同士が協調していく世界観で開発者体験を向上させていく先進的な取組みは、他のオブザーバビリティ製品には見られないものであるとの評価から、New Relicの導入決定に至りました。
加えて、New RelicがCI/CDプロセス全体の観測に適していることや、インフラをコード化するための「IaC(Infrastructure as Code)」フレームワークに対応している点も採用のポイントになりました。ソフトバンクでは、CI/CDプロセス全体を観測し、問題の早期発見に役立てようとしていたため、オブザーバビリティ製品には開発、QA(品質保証)、テスト、ステージングの各環境の監視を体系的に行える能力が求められました。また、デリバリーの失敗を回避する目的でインフラの構成をコードで構築・管理しているため、オブザーバビリティの仕組みもIaCフレームワークによって構築可能であることが重要でした。
さらに、New Relicの料金体系や製品のサポート品質も高く評価されました。satto workspaceは、シングルテナントでのサービス提供を予定しているため、観測対象のサービス数をベースにした料金体系のサービスでは、ライセンス料が膨大になります。これに対して、New Relicはユーザー数ベースの料金体系のため、satto workspaceのユーザーが増えてもライセンス料が膨れ上がる心配がなく、かつ、コストの調整が行いやすいという利点がありました。
ソフトバンクにおけるNew Relicの導入作業は2025年4月に開始され、satto workspaceの主要な機能を配置しているAWSへエージェントが組み込まれ、PoC(概念実証)がスタートしました。従来型の監視ツールでは、エラー発生の報告を受けてから、いくつもの画面を行き来しながら、ログやコード、データベースなどの状態を確認し、エラーの原因を突き止めなければなりませんでしたが、New Relicが導入されたことで、1つの画面でユーザーごとのサービスの状態が確認できるようになりました。これにより、エラー発生時の原因特定と問題解決までのリードタイムを非常に短くすることができました。また、タスクごとのメモリやCPUの使用状況もダッシュボードで一元的に確認できるので、テナントごとのリソースのチューニングや、コスト適正化の作業も効率化できています。
PoCは2025年11月に完了し、その後は、IaCフレームワークによるオブザーバビリティのコード化が進められているほか、BizDevOps体制の確立に向けて、New Relicの利用範囲は、satto workspaceの開発エンジニアやSRE担当者から、プロダクトオーナーやQAエンジニア、カスタマーサポートやカスタマーサクセスを担うチームへと広がりつつあります。ユーザーの状況がNew Relicによって可視化され、satto workspaceの開発・運用に携わるすべてのスタッフが共通理解のもとで把握できるようになることで、さらなるサービス品質の向上や顧客満足の向上が期待できます。
ソフトバンク IT統括 iPaaS事業開発本部 プロダクト開発課 担当部長 田口 悠希 氏 コメント
「New Relicは、私たちの要望や問い合わせへのレスポンスが常にクイックで適切です。技術面でのサポート品質も高く、担当のソリューションコンサルタントの方には、New RelicエージェントをAWSに組み込むための技術サポートや、オブザーバビリティのコード化に向けたサンプルコードも数多く提供していただきました。私たちのスピード感に合わせた伴走型の手厚いサポートを提供してもらえたことで、2025年冬のパイロット提供の準備にも間に合わせることができ、とても助かりました。このようなサポートは、他社ではなかなか見られないものです」
■ 「ソフトバンク」New Relicご採用事例の詳細は以下をご参照ください。
https://newrelic.com/jp/customers/softbank
■ その他のお客様によるNew Relic採用事例は以下からご覧いただけます。
https://newrelic.com/jp/customers
■ New Relicのファクトシートやロゴ等は、以下からご確認いただけます。
https://newrelic.com/jp/about/media-assets
■New Relicについて
2008年に創業したNew Relic は、業界におけるリーダーとして、デジタルビジネスのあらゆる重要指標を観測可能にする「オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォーム」を提供しています。デジタルビジネスを構成するアプリケーションやインフラストラクチャだけでなく、ユーザー側の顧客体験状況までをも観測可能にするため、企業はデジタルサービスの障害検知、顧客体験の低下検知、潜在的な問題やボトルネックを早期特定し解決するDevOps チームを生み出します。これにより、企業は取り組むべきデジタル変革を、計測可能な戦略へと変化させることができます。New Relicの全世界顧客数は16,000以上、Fortune 100企業の過半数で採用されており、日本でも数百社を超えるお客様のデジタル変革を支援しています。New Relicが支持されている理由は、newrelic.com/jpをご覧ください。
※New Relic は、New Relic, Inc.の登録商標です。
※本文書内の製品名および会社名は全て、それらの登録名義人の商標である場合があります。
【このプレスリリースに関するお問合せ先】
New Relic株式会社 マーケティング部 広報担当:佐藤
Email: japan_pr@newrelic.com
共同ピーアール株式会社(New Relic株式会社 広報代行)
E-mail: newrelic-pr@kyodo-pr.co.jp
担当/TEL:児玉(070-4303-7256)、干場(070-4303-7261)、田村(070-4303-7254)、本田(070-4303-7350)
New Relicについて
アプリケーションパフォーマンス監視(APM)が発案されて以来、New Relicは最先端のプラットフォームとしてオブザーバビリティの最前線に立っており、デジタル体験の中断を解消します。adidas Runtastic、Domino’s、GoTo Group、Ryanair、Topgolf、William Hillといった世界中の企業がNew Relicを利用して、より優れたデジタル体験を創造し、収益を最適化し、イノベーションをリードしています。 www.newrelic.com.