モビリティ産業はいま100年に1度の変革期を迎えている。多くの事業者がモビリティデータを活用した取り組みを検討、実施するなか、自社でサービスを手掛けるだけでなく、数多くの事業者と連携したサービス開発にも積極的に取り組み注目を集めているのが株式会社スマートドライブだ。

 

移動の進化を後押しするスマートドライブ

スマートドライブは「移動の進化を後押しする」をビジョンに、グローバルで最も利用されるモビリティデータプラットフォームを目指し、車やバイクなどあらゆる移動体のセンサーデータを収集する「データインプット」、収集したデータを加工して価値を高める「プラットフォーム」、 そしてこれらのデータを活用しサービスを創出する「データアウトプット」の大きく3つの領域で、一気通貫してサービスを提供している。

データインプットの領域ではシガーソケットに差し込むだけで移動体のセンシングデータを収集できる自社IoTデバイスの開発や他社デバイスのデータを取り込むサービスの開発に取り組んでいる。

プラットフォームの領域では、収集されたあらゆるデータを蓄積・加工・解析することでより使いやすく、利用価値の高いデータにするMobility Data Platformを提供している。このデータとスマートドライブのノウハウを組み合わせて顧客の利益に貢献している。

データアウトプットの領域ではクラウド車両管理システムの「SmartDrive Fleet」、ポイントサービスなどと連動して安全運転を推進する「SmartDrive Cars」、遠隔地からでも家族の運転を見守れる「SmartDrive Families」を展開し、toB、toC双方に向けたサービスを手掛けている。

「お客様に向けたサービスの提供はSmartDrive Fleetから始まっています。これは車両を利用してビジネスを行っている事業者様向けのサービスで、ドライバーの安全管理や車両管理の効率化などに役立てていただいております。」と話すのは執行役員 開発責任者の雲野氏。

スマートドライブではサービスごとに1チームずつ、プラットフォーム事業で1チームの計4つの開発チームがあり、それとは別にすべてのサービスを横断して運用状況やパフォーマンスを管理するSREチームが存在している。

「IoTデバイスの開発も自社で行っており、多様なプロフェッショナリズムを持ったエンジニアがスマートドライブでは働いています。我々自身がサービスを提供していることもあり、いちエンジニアというよりも、いちサービス提供者として顧客志向を持って携わってくれているメンバーが多いです。」

執行役員 開発責任者
雲野 裕介 氏

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そんなスマートドライブでは、New Relicをどのように活用しているのか?

 

チーム間の連携を高める共通言語としてのデータ

スマートドライブがNew Relicを利用し始めたのは2018年頃。SREの大城氏を中心に導入を進めた。

「当時はまだアプリケーションの監視に着目したソリューションは少なく、対応する言語も幅が狭かった印象がありました。求める条件に合致するツールとしてはNew Relic一択でした」と語るのはSREの大城氏。

「ただ監視ができれば良いのではなく、SREとアプリケーション開発者との共通言語になってくれるようなソリューションが必要でした。スマートドライブでは1つのサービスに職種を跨いで関わることが多いため、One Teamで仕事をすることが常に求められます。メンバー間の連携を高め、サービスを良くしていくためにも、同じデータを共通言語として持つ必要があると思っています。」

SRE
大城 保寿 氏

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「複数のサービスを提供していると、様々な問題が発生します。どんな問題が起きているのか、どこに原因があるのかをアドホックにクエリして調査することができるNew RelicのNRQLは重宝する機能の1つですね。また、人が設計したアラートの場合、どうしても見落としが発生してしまう恐れがありますが、New Relicのベースラインアラートを設定すれば、想定外の異常値を自動で検出してくれるため、運用の抜け漏れを防ぐことにも役立っています。」(大城氏)

「特殊なツールの開発においても、開発から運用管理まで一般的な監視ツールでは賄えないことまで柔軟に使えるので助かっています」と話すのはファームウェア エンジニアの濱地氏。濱地氏はIoTデバイスの開発から他社ドライブレコーダーなどのデバイスとWebサービスの連携ツール開発などでNew Relicを活用している。

「他社製デバイスとスマートドライブのサービスを繋ぐためのAPI開発など、案件個別での開発を担当することがあり、リリース前のサービスをNew Relicでパフォーマンス計測してボトルネックを特定したり、Distributed Tracing(分散トレーシング)を使って具体的にどの処理に時間がかかっているのかを追跡したりすることで、パフォーマンスチューニングに役立てていました。リリース後の運用フェーズでも、Dockerのインスタンス単位での計測など必要とするレベルでの監視やアラートの設定ができる柔軟性が良かったですね。」

ファームウェア エンジニア
濱地 俊文 氏

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New Relic One 導入で進むツール統合と運用業務の効率化

スマートドライブではNew Relicが2020年8月に発表した新たなライセンス体系である「New Relic One」をいち早く導入した。「New Relic One」は、デジタルサービスのオブザーバビリティ(可観測性)を実現するためのすべての機能セットを、横断的かつ包括的に利用できるプラットフォームである。ユーザーは、「Telemetry Data Platform」「Full-Stack Observability」「Applied Intelligence」から構成される多様な機能を利用して、クラウド/オンプレミス環境を統合的に管理できる。

「New Relic Oneの新しいライセンス体系になり、これまで利用していなかったNew Relicの機能を活用することで、コスト面と運用面で大きなメリットがありました。」と大城氏は語る。

「以前は異なるツールを複数利用してログの管理をしていましたが、今回新たに利用できるようになったNew Relic Logsに切り替えることでツールの維持・管理コストの削減につながりました。また、あらゆるアプリケーションのログをNew Relicに集約したことで、ログで必要な作業がNew Relicだけで完結するようになり、別ツールに都度ログインするなどの煩雑な業務がなくなりました。これらのNew Relicに集約したデータをNew Relic Alertと紐づけることで、これまで以上に柔軟なアラート設計ができるようにもなっています。」(大城氏)

顧客志向、One Teamでスマートドライブのビジネスに貢献

変革期にあるモビリティ市場で注目を集めるスマートドライブは、自社で提供するサービスの成長だけでなく、多くの企業から協業、連携などの相談も後を絶たない。エンジニアチームとして今後のスマートドライブの事業成長にどのように携わっていきたいと考えているのだろうか。

「以前は『MaaSとは何か?』という学ぶフェーズの企業様が多かったですが、現在は実際に事業としての取り組みも増えてきており、今後さらにモビリティデータの活用が民主化していくと考えています。」と雲野氏は語る。

「スマートドライブのビジネスが拡大していくと、これまで以上にさまざまな専門性を持つエンジニアの方がサービス開発に関わってくれることになると思っています。ビジネスをスケールさせていくためには、エンジニアがそれぞれの職種や役割でプロフェッショナリズムを発揮するだけではなく、サービス提供者としての自覚を持ち、お客様の価値創出にOne Teamで取り組める姿勢が大事だと考えています。開発責任者としてはエンジニアチームがお互いに信頼関係を築きながら、本来注力すべき仕事に集中できる環境を整えていきたいですし、New Relicには異なる専門性を持ったチームが共有できる共通の指標、共通の言語として機能して欲しいと思っています。」(雲野氏)

「New Relicがあることで本来注力すべき仕事に集中できていると思っています。現在はバックエンドエンジニアを中心に利用していますが、フロントエンドやクライアントサイドのエンジニアにも広めていき、エンドツーエンド(E2E)のオブザーバビリティ(可観測性)実現を目指していきます。今後もエンジニアという範疇を超えて、顧客志向でお客様への価値を最大化できるよう、自社のサービスと向き合っていきたいです。」(大城氏)

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