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デザイン経営とBizDevOpsを実践し、結婚情報メディア「Wedding Park」への共感・支持を拡大

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利用用途

結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park」をはじめとするサービスのより良いユーザー体験の実現、デザイン思考を採り入れたコンテンツと使い勝手の両立、BizDevOpsの実践に、New Relicのオブザーバビリティを活用

New Relicの導入目的と成果

  • クラウドシフト、アプリケーションのコンテナ化/マイクロサービス化の効果を高める監視のモダン化
  • New Relicの観測データを営業および開発・運用チームが共有しプロダクト/サービス改善で協力
  • デザイン思考を採り入れたコンテンツと使い勝手の両立のために、データに基づく意思決定を実践
  • サイトの継続的なパフォーマンス改善、迅速なトラブルシューティングにNew Relicを活用
  • 不具合の原因特定時間は1週間以上から数分へ。営業スタッフが利用するレポート発行時間も半減
  • ビジネスKPIとサイトパフォーマンスの関連性を観測し、デザイン経営の一層の推進へ

利用製品

  • New Relic APM
  • New Relic Browser
  • New Relic Infrastructure
  • New Relic Logs
  • New Relic Synthetics
  • New Relic Dashboard

 

結婚を、もっと幸せにしよう。――ウエディングパークが発信するメッセージへの共感が、結婚情報メディア「Wedding Park」への支持を拡大させている。5,000を超える結婚式場を網羅し、500,000件以上のユーザーからのクチコミを集める業界トップクラスの規模を誇るこのサイトでは、式場探し、式の準備や演出、式当日までの段取りなど、カップルが「自分たちに合った結婚式」を見つけ出すための豊富なコンテンツが提供されている。同社 +Creation本部 マネージャーの小山翔平氏は次のように話す。

「Wedding Parkが、ウエディング業界で初めての『結婚式場のクチコミサイト』としてスタートしたのは2004年です。以来、結婚を考えるおふたりと式場、写真スタジオ、衣装会社、ジュエリーショップなどのウエディング関連企業様をつなぐサービスを拡充させてきました。現在、私たちのビジネスは、インターネット・デジタル技術を駆使したカップルとウエディング企業のマッチングを中心に、ウエディング業界におけるマーケティング支援やDX支援まで大きな広がりを見せています」

結婚式は人生の一大イベントだが、式場との付き合いは一生に一度というケースが大半を占める。「リピーターがいない」という業界独特の制約がある中で、20年以上にわたりウエディングパークがビジネスを伸長させている理由はどこにあるのか。

「カップル、ウエディング業界、ウエディングパークにとって、『三方よし』の関係性を発展させてきたことが大きいと思います。Wedding Parkでは、式場を利用したカップルの本音である『クチコミ』の提供をいち早く開始し、これが幅広い方々から支持を得ました。さらにウエディング企業様にとっても、『クチコミ』が、サービス向上や新規顧客の集客や成約の有益な情報になることが認められたのです」(小山氏)

 

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+Creation本部 マネージャー 小山翔平氏

クチコミを起点にした3者の信頼関係は20年にわたり着実に熟成されてきた。さらに、ウエディングパーク自身が、Wedding Parkにおける「ユーザー体験」の向上に継続的に取り組んできたことも重要だ。

「Wedding Parkでは、カップルの『式場選びが楽しくなる体験』を徹底的に追求してきました。『デザイン思考』を採り入れて、質の高いコンテンツを充実させるとともに、欲しい情報が直感的にわかる、検索できる、即座に表示される、といったUI/UXにこだわっています。また、コンテンツと使い勝手の良さを両立させるために、オブザーバビリティプラットフォームNew Relicを活用して、サイトのパフォーマンスやユーザー体験を定量化・可視化して改善に役立てています」(小山氏)

「デザイン思考」はウエディングパークを語る上で欠かせないキーワードだ。同社は、2021年10月に「ウエディングパーク的『デザイン経営』宣言」を発表し、これに基づくブランド構築、イノベーション創出に全社を挙げて取り組んでいる。

「デザイン思考に基づいて私たちの技術を洗練させ、今まで大切にしてきた『三方よし』に『社会の視点』を採り入れた『四方よし』でウエディング業界全体に新しいイノベーションを起こしていきたいと考えています。2024年11月には、誰もが安心して結婚式を挙げられる社会の実現を目指し、結婚式費用を透明化するシミュレーションサービス『mieruupark(ミエルーパーク)』の提供を開始しました」(小山氏)

デザイン思考でBizDevOpsに挑む

ウエディングパークでは、サービス基盤のAWSへの移行を2022年に完了させ、マイクロサービスアーキテクチャの導入、アプリケーションのコンテナ化を推進している。PHP+LaravelによるWebアプリケーション開発の効率化、Reactによる洗練されたUIの実現、Goを採用したAPI基盤の高速化への取り組みも進む。+Creation本部でリードエンジニアを務める東和樹氏は次のように話す。

「カップルや式場などサービスを利用する方々のニーズに応えるプロダクトの開発、機能開発のスピードを高めるために、システムのモダン化とDevOpsの実践に取り組んできました。エンジニア組織ではすでに週2回のリリースサイクルを確立しており、現在は、New Relicで観測されたデータをダッシュボードで共有しながら、企画・営業チームとの連携をいっそう強化するBizDevOpsに挑戦しています」

New Relicは業界を代表するオブザーバビリティプラットフォームであり、国内では46%のトップシェアを獲得している。デジタルサービスにおけるあらゆる重要指標の「観測」を可能にし、アプリケーション、インフラ、ユーザー体験の観測を通して、障害やサービスレベルの低下、潜在的な問題・ボトルネックを可視化する。

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+Creation本部 リードエンジニア 東和樹氏

優れた技術力とデザイン思考を兼ね備えたエンジニア組織を編成し、企画・営業チームと緊密に連携して事業をリードしていることにウエディングパークの強みがある。

「Wedding Parkでは常に機能やコンテンツを拡充させていますが、その影響でユーザー体験が損なわれてはなりません。サイトのパフォーマンスチューニングはエンジニア組織の注力テーマのひとつであり、改善の成果はNew Relicのダッシュボードを通じて企画・営業チームをはじめ全社で共有されます。システムの性能改善を、社内SNS(下記写真)などを通じて関係者全員が喜び合う文化は、ウエディングパークならではかもしれません」と東氏は話す。

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社内SNSでの写真

アプリケーションのコンテナ化によって、サイトパフォーマンスを大きく改善できた例もある。

「あるシステムのコンテナ移行に際しては、New Relicによる性能検証を入念に行いました。パフォーマンスボトルネックを解消してから本番稼働させたことが奏功し、ここでも大幅なパフォーマンス改善を達成できたのです。New Relic APMでは、Webアプリケーションのレスポンスタイム、スループット、エラー率、トランザクションなどを可視化し、ユーザー体験に影響するコードやコード間の依存関係を即座に特定できます。SREにはもちろん、アプリケーション開発エンジニアにとってもなくてはならないツールです」(東氏)

データに基づいた意思決定と行動

ウエディングパークにおいてNew Relicの活用が開始されたのは2017年。New Relic日本法人が設立される1年前であり、同社のテクノロジーへの先見性を示す好例と言えるだろう。東氏は次のように続けた。

「New Relic APMの優れた機能性を評価して採用を決めましたが、システム全体のモダン化を進めていく過程で、マイクロサービス化されたアプリケーションを監視する分散トレーシングの威力も実感しました。現在は、外形監視やブラウザー監視、インフラ監視を含め、より正確にユーザー体験を把握できるようになっています。New Relicの機能の進化と拡充は目覚ましいですが、New Relic日本法人のサポートを受けながら活用を高度化しています」

New Relicの活用が定着化していく過程で、エンジニアの意識と行動にも変化があらわれてきたという。

「『何となく遅くなった気がする、後で調査しよう』と思っているうちに、数日が経過してしまうこともありました。これが『New Relicでパフォーマンスの低下傾向を把握したら、即座に原因を特定して対策しよう』という意識に変わったのです。実際に、パフォーマンスのボトルネックや不具合の原因特定は作業としても1週間以上かかっていた作業が数分レベルに短縮されました。パフォーマンスチューニングによって、広告効果測定レポートの発行時間を半減させた例もあります」(東氏)

観測データが共有されることで、チームとしての意思決定と行動も迅速化する。そしてサイトパフォーマンスの安定化は、ユーザー体験の向上にダイレクトに結びつく。

「SEO対策の一環として、Webサイトの健全性を示す指標Core Web Vitalsを利用して、よりきめ細やかにユーザー体験を評価するための取り組みを始めています。さらに、SLI/SLOを独自に制定して、『コンテンツや情報を充実させても、決してユーザー体験を損なわない』ようにするための取り組みをさらに強化していきたいと考えています」と小山氏は力を込める。

「ハート情報」で式場を選ぶ時代へ

「その式場では、いくらで、どんな結婚式を挙げられるのか」というのが、現在の一般的な式場選びの基準と言っていいだろう。「そうした常識もデザイン思考で変えていきたい」と小山氏は話しつつ次のように続けた。

「式場スタッフがどんな思いで結婚式を作っているのか、カップルにどんな体験をしてもらいたいと考えているのか――私たちはこれらを『ハート情報』と呼んでいますが、式場選びの新しい基準として『ハート情報』を重視したWedding Parkのサイト作りに取り組んでいます。結婚を考えるおふたりには式場選びがより楽しくなる体験をお届けし、式場様にはより自分たちの本当の思いを伝えていただける場にしていきたいと考えています」

「ハート情報」を組み込んだサイトの最適なUIをデザインし、データも活用しながら見たい情報をレスポンスよく参照できる快適なUXをデザインする――そして、「結婚を、もっと幸せにしよう。」という企業理念の実現に向けて、ウエディングパークの「デザイン経営」は顧客体験の最前線で着実に実践されている。小山氏は次のように結んだ。

「New Relicが言い続けている『サイトのパフォーマンス改善が、ビジネスに貢献し、ビジネスの成果に結びつく』という考え方に大いに共感しています。データで語る、データをもとに判断する、という習慣が私たちの組織全体に浸透するきっかけになったのもNew Relicでした。今後は、ビジネスKPIとサイトパフォーマンスを関連づけた評価指標を活用しながら、カップルに寄り添ったサービスを提供する『結婚を、もっと幸せにするテックカンパニー』を目指していきます。New Relic日本法人には、引き続き私たちのビジネスを支えるサポートを期待しています」