利用用途
アプリケーションのアジャイル開発における品質向上、稼働中の顧客システムのモニタリング、顧客システムのサービス品質を向上させるためのコンサルティングサービスにNew Relic Oneを活用
New Relicの選定理由と成果
- アプリケーション開発段階での不具合やパフォーマンスボトルネックの検知が可能
- 顧客システムの運用支援段階でのモニタリングやレポーティング、問題解決の迅速化に貢献
- 顧客と自社の「共通言語」となるメトリクスをダッシュボード上で可視化
- 顧客向けにマネージドサービスやシステム改善コンサルティングの提供を計画
企業向けカスタムアプリケーションの開発で定評あるウイサーブが、新しいビジネスチャレンジに向けて動き出した。オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームNew Relic Oneを活用する、顧客価値の高い新たなシステムサービスの開発である。ウイサーブは、企業の基幹業務システムの設計・開発・運用を得意としながら、Webサイト-スマホアプリ‐設備が連携するシェアオフィス管理システムや、国際的なエンターテインメント企業の会員制サイトなど、ユニークなシステム開発を多数手がけている。代表取締役の宗像敬一郎氏は次のように話す。
「ウイサーブでは、1999年よりシステムインテグレーションビジネスを本格化させ、最新のテクノロジーを軸にしたシステム設計・開発・運用支援サービスを提供してきました。お客様のビジネス戦略に合致したシステムをアプリケーションからインフラまでカスタムメイドできることに、私たちの最大の強みがあります。近年は、モダンなWebアプリケーションやスマートフォンアプリの開発に注力しつつ、インフラまわりはAWSを中心に最新のクラウドテクノロジーを最大限に活用しています」
ウイサーブのアプリケーション開発はスピード重視だ。アジャイル開発の概念が注目される前から「いち早くプロトタイプを作成し、顧客のニーズを反映させながら変化に対応する開発スタイル」(宗像氏)を貫いてきたという。
「私たちの開発の現場を長年にわたり支えているのが、New Relic Oneのアプリケーションパフォーマンス管理(APM)です。アプリケーションのプロセスにボトルネックはないか、スロークエリが発生していないか、コードに不具合が含まれていないかを確認しながら、開発スピードとアプリケーション品質を同時に高めてきました。ここ数年で、インフラ、モバイル、外形監視などNew Relic Oneのフルスタックへ利用範囲を拡大しています」(宗像氏)
宗像氏がNew Relicに着目したのは2010年のことだ。顧客システムの性能問題の解決にNew Relic APMを利用した際に、「これは開発のスピード化にも使える」と直感したことがきっかけだった。
アプリケーション開発の高速化に貢献
テスト段階で期待していたアプリケーション性能が得られないことが判明したものの、なかなか原因を特定できず、解決までに多大な時間を要してしまうような例は後を絶たない。ウイサーブでは、開発段階からNew Relic Oneを活用することでこの問題をシンプルに解決している。
「たとえば、New Relic Oneのダッシュボードでインフラリソースの使用率と性能値を見れば、原因がインフラかそれ以外にあるのか即座にわかります。スロークエリが発生しているならば、インデックス追加で解消するかクエリ自体を見直すべきか、速やかに具体的な検討に着手できます。即断即決が基本であり、『まずインフラチームで原因を調べて、来週の定例会で方針を決めよう』などという段取りは私たちには一切ありません。New Relic Oneを使えるか使えないかで、開発のスピード感はまるで違うでしょう」とプロフェッショナルサービス本部の森譲氏は話す。
New Relic Oneはアプリケーション開発のリードタイム短縮、アジャイル開発におけるアプリケーション品質の向上に大きな威力を発揮する。開発段階で様々な問題を解決できるため、ウイサーブの開発力・技術力に対する顧客企業の信頼も高められる。
ウイサーブは、アプリケーション開発のスピード化に取り組む一方で、インフラビジネスに固執することなく大胆にパブリッククラウドへのシフトを進めてきた。現在では案件のほぼ100%がクラウド上に構築されるという。
「AWS Lambdaによるサーバーレスのシステム構築、ECSによるコンテナ管理、Elastic Beanstalkを利用したアプリケーションの高速デプロイなど、最新のクラウドテクノロジーはシステム開発全体のスピード化に大きく寄与しています。そして、AWS上のバックエンドシステムからエンドユーザーが使うスマホアプリまで、一気通貫でユーザー体験を可視化できるNew Relic Oneのメリットは、開発だけでなく本番環境でも存分に活かされます」とプロフェッショナルサービス本部の庄田健一氏は話す。
New Relic Oneは業界を代表するオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームであり、デジタルサービスにおけるあらゆる重要指標の「観測」を可能にする。アプリケーション、インフラ、ユーザー体験の観測を通して、障害やサービスレベルの低下、潜在的な問題・ボトルネックを可視化する機能は業界随一との評価を得ている。
「AWSの機能とNew Relic Oneを連動させたシステム障害からサービスを自動復旧する仕組みは、私たちの提案の大きな強みとなっています。セルフヒーリングやオートスケーリングを上手に活用することで、システムの信頼性とサービスの継続性を大幅に高めることができます。一般的な業務システムであれば、お客様にとって『監視は不要、監視の外部委託も不要』という運用をあたりまえにできると考えています」と宗像氏は自信を示す。
スマートフォンを使うエンドユーザーの体験を可視化
New Relic Oneは「顧客企業が提供するサービス」のユーザー体験の評価と改善にも貢献している。
「シェアオフィスを展開するお客様のシステムでは、New Relic Oneのモバイルモニタリングを利用してスマートフォンを使うエンドユーザーの体験を可視化しています。私たちは、NRQL(New Relic Query Language)を使って、アプリの起動やログインといったユーザーの行動、ネットワーク接続状況やレスポンスタイムなどのユーザー体験をダッシュボード上で一覧できるよう工夫しました。こうした情報は、お客様側でマーケティング情報とともに分析されサービスの改善に役立てられています」とプロフェッショナルサービス本部の早野弘行氏は話す。
同じくNew Relic OneのSyntheticsによる外形監視も、この顧客企業が提供するサービスの品質管理に活用されている。ログインの遅延などエンドユーザーの体験に何らかの影響が確認されたとき、その情報はチャットツールを通じて即座に関係者へ通知される。
New Relic Oneを活用した監視体制は、ウイサーブに対する顧客企業の評価を高めることにもつながっている。庄田氏は次のように続ける。
「コールセンターシステムを導入したお客様で、オペレーターチームから『今日は何となく遅い』『昨日より重い気がする』という声があがったとき、New Relic Oneでパフォーマンスボトルネックの原因がデータベースにあることを速やかに特定しました。クエリの遅延がどれだけ発生したのか、ユーザー体験にどれだけの影響があったのかをグラフでわかりやすく示し、具体的な改善策を速やかにレポートしたことで、お客様の私たちの仕事に対する評価を大きく高めることができました」
「自社のアプリケーション開発とお客様システムの運用支援――この2つに共通していることは、New Relic Oneのメトリクスが、お客様とウイサーブ、経営者とシステム部門、インフラエンジニアとアプリケーション開発者とSREといった、職能やバックグラウンドの違う人たちの『共通言語』となることです。New Relic Oneは、ビジネスとITをひとつにつなぐ架け橋になるのです」と宗像氏は話す。
New Relic Oneを活用した顧客向け新サービス
オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームNew Relic Oneの導入・活用において、ウイサーブが長年にわたり蓄積してきた知見と技術力は業界トップクラスと言えるだろう。ウイサーブは、より顧客価値の高いシステムサービスの提供に向けて準備を整えつつある。ひとつは「New Relic Oneによるマネージドサービス」、もう一つは「New Relic Oneによるシステム改善コンサルティング」である。
「マネージドサービスでは、お客様のシステムへNew Relic Oneを導入しウイサーブが適切に監視を行います。サービスに影響を及ぼすシステム上の問題が顕在化する前に、予兆を検知して適切に対処できることがセールスポイントです。また、サーバーサイドからユーザーデバイスまでを一貫させる、エンドツーエンドのオブザーバビリティをフルに活用して『システム性能とサービス品質』を改善するコンサルティングの提供を準備しています。アプリケーション開発と、お客様システムの運用支援で培ったノウハウを新しいサービスにすべて投入します」とプロフェッショナルサービス本部の藤元浩氏は話す。
高機能なNew Relic Oneのメリットをフルに引き出すには、モニタリングの全体設計、NRQLを活用して欲しい情報を可視化するダッシュボードの構築が不可欠だ。運用段階では、問題点の特定と解決方針の策定、問題解決や改善の具体的なアクションが求められるが、これらを一貫してウイサーブが提供する。
「New Relic Oneを活用したマネージドサービス、システム改善コンサルティングを通じて、お客様にはこれまでの運用監視サービスでは得られなかった価値をご提供できると確信しています。New Relic社のマニュアルに書いていないことまで、私たちは経験を通じて知っています。より多くのお客様にNew Relic Oneが実現するオブザーバビリティ(可観測性)のメリットを知っていただき、お客様のサービスをより良いものにしていくご支援ができることを願っています」と宗像氏は話した。