主な結果
- New Relicの導入により、Tokopediaはパフォーマンステレメトリ、主要なビジネスメトリクス、およびデプロイメントの速度を一つの表示画面の中に関連付けることが可能
- 開発者は問題を迅速かつ容易に特定し、パフォーマンスエンジニアリングに集中できる
- New Relic は、アラート間隔を Tokopedia が要求する正確な「マジックナンバー」に設定することで、より正確なアラートを実現
Tokopediaは、インドネシアのテクノロジー企業であり、人や場所に関わらず、テクノロジーを通じてコマースを民主化し、支援することをミッションとしています。2009年の創設以来、Tokopediaはインドネシアの99%以上の地域で利用され、1,100万人以上の小売業者を支えています。Tokopediaのビジョンは、誰もがあらゆることを始め、発見できるスーパーエコシステムを構築することです。これを達成するため、同社はマーケットプレイス、デジタル製品、フィンテック、決済、ロジスティクス、倉庫ソリューション、新規小売事業を通じて、広範な戦略的パートナーと密接に協働しています。また、同社はインドネシア全体で500,000を超える決済ポイントを提供しており、人々の生活を簡便化する40以上のデジタル製品を提供しています。
競争の激しいeコマース市場への挑戦
インドネシア国民は、世界最大規模のデジタルテクノロジーユーザーです。ecommerceDBによると、インドネシアのeコマース市場規模は、世界で11番目です。GlobalDataによる分析では、eコマースの売上は、2020年から2024年までの間に19.2%成長し、2024年には510億米ドルに到達すると予測されています。
この成長は激しい競争を誘因し、国内外のプレイヤーが、シェアを獲得しようと競い合っています。
こういった状況の中で、eコマース企業が、落ち度のない顧客体験を可能にする、信頼性が高く堅牢なサービスを提供することで、可能な限りの競争力を保持することは非常に重要です。市場における支配的プレイヤー、「インドネシアのAmazon」として、Tokopediaは、激しさを増す競争の最中で、その栄誉に甘んじてはいられないことを知っていました。最大であり続けるためには、最高である必要もあります。
「顧客体験は、デジタル領域での成功において非常に重要です。しかし、当社のエコシステムは、決済、ロジスティクス、および倉庫ソリューションに渡り、多くの多様なパートナーに依存しています。レイテンシがネットワーク関連なのか、または社内なのか測定することは非常に困難でした。また、当社パートナーと接続することすら容易ではありませんでした。当社はまた、広範囲のデバイスを取り扱っており、そういったデバイスのどういった性能が機能していないのか識別することが困難でした」とTokopediaのエンジニアリングVP、ライアン・デ・メロ氏は説明します。
スタックが成長し、より複雑になっていくTokopediaには、より良い可視性が必要でした。技術的問題を迅速に識別および解決する一方で、ビジネスメトリクスについてより詳しい知見を得たいと考えていました。過去に、同社は多くの独立ツールを利用しました。同社は、監視業務を統合したいと考えており、自社の急成長と共に拡大できる、将来においても有効なソリューションが必要でした。
Tokopediaは、性能と商業的目的において、パートナー数社を評価しましたが、最終的に勝ち取ったのはNew Relicのプログラマビリティ性能であったと、デ・メロは言います。
真のオブザーバビリティの達成:The Map of Indonesia
New Relicは、新たなプラットフォームへの移行を確実に成功させるため、Tokopediaと密接に協働しました。移行は未だ進行中ですが、Tokopediaは、詳細なアプリケーションの可視性、フロントエンドからの堅牢なテレメトリ、および統合型オブザーバビリティ・プラットフォームのメリットを既に確認しています。
初期段階でNew Relicは、Tokopediaが取引のステータスとその金銭的価値の間にある直接的な相関関係(収益の漏出)を確認できるサービスに関与しました。New Relicを利用して、Tokopediaは対応するユーザーの取引数に数回の不足があることを識別できました。この識別は、オープンソースツールによるトレーシングを用いた過去の方法では、簡単ではありませんでした。またTokopediaは、自社独自の「The Map of Indonesia」を構築し、そのフロントエンドでオブザーバビリティ第一のアプローチを取りました。このビジネスダッシュボードは、カスタムイベントデータ、バックエンドAPM、地理的ポイントにマッピングされたコアウェブバイタルを組み込んで、Tokopediaのエンドユーザーにフォーカスしています。
「New Relicの導入により、Tokopediaはヒートマップ・ダッシュボードを素早く実装し、時間ごとに発生しているリクエストチケットの急増を即座に確認し、また必要な移行戦略について計画することができました」とデ・メロ氏は述べます。
開発者も顧客もハッピーに
New Relicにより、Tokopediaはパフォーマンステレメトリ、主要なビジネスメトリクス、およびデプロイメントの速度を単一のビューに関連付けることができるようになりました。エンジニアは、カスタムダッシュボードをセットアップして、素早くパフォーマンスエンジニアリングに集中し、本番環境のコードのクオリティを分析し、また問題の原因となっているホットスポットやボトルネックを識別します。このソリューションは、Tokopediaのプラットフォームを利用している販売者にとっても役立ちます。
「ベンダーのお客様にシンプルなNew Relicインタフェースを提供したところ、顧客の携帯電話番号を検索することで最終タッチポイントを確認し、またその顧客が最後に経験したエラーセットについて確認することができます。その結果、本当の不満は何か、取引が成立しないのはパートナーとの関係なのか、などが見えてきたのです」デ・メロ氏は説明します。
最近の例を一つ挙げると、ユーザー登録セクションが障害となり、成約率が大幅に減少しました。これについて、Tokopediaのエンジニアは、New Relicを使用して根本原因について数分で特定することができました。
また、既存のオープンソースソリューションと比較して、インフラストラクチャのアラートや通知においても改善が見られました。一つの例として、Tokopediaの最も重要な決済サービスが挙げられます。
「以前使用していたツールでは、パフォーマンスの低下についてアラートが出なかったことがありましたが、New Relicのアラートでは4分も低下していた、というケースがありました。調査の結果、パフォーマンスが低下した間隔は、評価間隔(10分間)よりも短く、静的なインターバル(1、5、10分間など)のみが提供されていたことが判明しました。間隔を1分間に変更すると、正のアラートが多数誤作動し、エンジニアが精神的に疲労しました」デ・メロは思い返します。
「New Relicを利用して、間隔を3分間に調整することで、より適した頻度を得ることができました。これは正確なアラートのために必要な『マジックナンバー』です。」