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NTTデータグループ|国内70社、8万ユーザーが利用する「基幹ネットワーク」を可視化しレジリエンスを向上

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利用用途

NTTデータおよび国内グループ会社およそ70社、200拠点、8万ユーザーが利用する基幹ネットワークの最新化と、これに合わせたネットワーク監視のモダン化にオブザーバビリティを活用

New Relicの導入目的と成果

  • 最新化によりアーキテクチャと技術要素が大きく変わった基幹ネットワークの可視化、問題解決の迅速化とレジリエンス向上
  • 帯域、トラフィック、経路、コネクション数など個別に整備されてきた監視ツールの統合化
  • 大規模ネットワーク環境におけるNew Relicライセンス体系のコスト優位性
  • 基幹ネットワークを起点に、プライベートクラウド、パブリッククラウドへのNew Relic適用を計画

利用製品

  • New Relic Network Performance Monitoring
  • New Relic Infrastructure
  • New Relic Logs
  • New Relic Dashboard

 

NTTデータグループが成長戦略を加速させている。2024年3月期の売上は、前年度比8千億円超の増収により4兆3千億円を突破。国内ITサービス企業として最大規模となった。同社が、NTTデータグループ(持株会社)、NTTデータ(国内事業会社)、NTT DATA, Inc.(海外事業会社)による3社体制に移行し、グローバル戦略とガバナンスを強化したのは2023年7月である。NTTデータグループ コーポレート統括本部 ITマネジメント室 DX推進部 システム開発担当 課長の川戸祐介氏は次のように話す。

「私たちITマネジメント室は、NTTデータグループ全社の情報システム部門として、国内グループ会社およそ70社、8万ユーザーが利用する多様なIT環境の整備を担っています。私自身のミッションは、社内システム共通のプラットフォームである基幹ネットワーク、プライベートクラウド、パブリッククラウド3領域の統括です。それぞれの基盤システムの戦略策定から技術評価、設計、構築、運用までを一貫してリードしつつ、ビジネスを支える快適な利用環境を全社に提供し続けることを目指しています」

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株式会社NTTデータグループ コーポレート統括本部 ITマネジメント室 DX推進部 システム開発担当 課長 川戸祐介氏

ITマネジメント室では、4か年計画による基幹ネットワークの最新化を進めている。「レジリエンス(復元力)」、「アジリティ(俊敏性)」、「セキュア(安全性)」の強化を掲げ、国内200拠点を結ぶ基幹ネットワーク更改プロジェクトは3年目に突入した。

「新しい基幹ネットワークは、トラフィックがさらに増大しても安定的にサービス提供できるよう設計を見直し、NFV(Network Function Virtualization)によるネットワーク機器の仮想化、ローカルブレイクアウト、ゼロトラストセキュリティなど、クラウド時代の要求に応えるために最新のテクノロジーを大胆に採り入れました。『レジリエンス』の強化という観点では、このモダンなネットワークをいかに可視化するか、問題検知と復旧をいかに迅速化するかがチャレンジでした」(川戸氏)

NTTデータグループの基幹ネットワークは5,000台規模のネットワーク機器で構成される。国内およそ70社、200拠点を結び、8万ユーザーが利用するビジネスクリティカルな環境に優れた「レジリエンス」をもたらしたのは、オブザーバビリティプラットフォームNew Relicである。

 

最新の基幹ネットワークを統合的・網羅的に「可視化」

New Relicは業界を代表するオブザーバビリティプラットフォームであり、国内では39%のトップシェアを獲得している。デジタルサービスにおけるあらゆる重要指標の「観測」を可能にし、アプリケーション、インフラ、ユーザー体験の観測を通して、障害やサービスレベルの低下、潜在的な問題・ボトルネックを可視化する。NTTデータグループが採用し、基幹ネットワークの可視化とレジリエンス強化のために主に活用しているのは、New Relic Network Performance Monitoring(NPM)である。

「従来はデータセンターと拠点間を結ぶ閉域網のトラフィックが中心でしたが、パブリッククラウドの利用が進むにつれ、自社ネットワークの内と外との通信が増加していきました。トラフィックの流れを大きく変えたのは、コロナ禍と急速なリモートワークの進展です。私たちは、基幹ネットワークの最新化に合わせてNew Relicを採用し、既存のツール群を集約するとともに、クラウド時代に対応できる新しい可視化の仕組みづくりを進めています」と川戸氏は話す。

ITマネジメント室では、ネットワークの帯域監視、トラフィック監視、経路監視、接続監視を行うためにそれぞれ専用のツールを利用してきた。川戸氏のチームで基幹ネットワークを担当する星尚宏氏は次のように話す。

「New Relic NPMでは、複数のツールが担ってきた監視機能を網羅的・統合的に扱えます。さらに重要なのは、メトリクスの収集と可視化をよりきめ細やかに行えることです。たとえば、トラフィック量が瞬間的に跳ね上がったとき、従来までの5分間隔の観測では『肝心なデータを取りこぼしてしまう』『問題がないように見えてしまう』という課題がありました。New Relic NPMでは30秒粒度でメトリクスの収集と可視化を行えますので、問題が生じた原因調査の際には、粒度を細かくすることで瞬間的なトラフィック増を把握してトラブルシューティングなどに役立てることができます」

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株式会社NTTデータグループ コーポレート統括本部 ITマネジメント室 DX推進部 システム開発担当 主任 星尚宏氏

大規模環境に有利なNew Relicのライセンス体系

可視化ツールの統合に際しては、NTTデータグループの環境への適合性が慎重に評価された。New RelicのPoCを担当し、これに続く監視設計・導入・運用までをトータルに支援しているNTTデータ先端技術 マネージド&ファシリティサービス事業本部 マネージドサービス事業部の山中涼輔氏は次のように話す。

「まず、New Relic NPMがNTTデータグループの規定する『標準監視項目』を完全に網羅できることを確認しました。私たちが期待したのは、数千台規模の機器で構成される巨大なネットワークに対するNew Relicの適合性と、New Relicそのもののスケーラビリティです。オンプレミスの可視化ツールでは、常に監視サーバーの性能やキャパシティに気を遣わなければなりませんでしたが、SaaSとして提供されるNew Relicであればそうした手間は一掃できると考えました」

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NTTデータ先端技術株式会社 マネージド&ファシリティサービス事業本部 マネージドサービス事業部 サービスデリバリー担当 担当課長 山中涼輔氏

New Relicが「ユーザー数と取り込んだデータ量でコストが決まるライセンス体系」を採用していることも、NTTデータグループの大規模環境では有利に働いた。

「監視要件に照らして取得すべき観測データを定義し、New Relic日本法人の技術支援を受けながら、ドロップフィルターを利用して不要なデータを取得しないよう設定していきました。これにより、New Relicが取り込むデータ量を1/10にまで削減することができました」(山中氏)

川戸氏も、「膨大な機器群それぞれに課金される他製品よりも、New Relicのライセンス体系に明らかな優位性がありました。監視要件や現場でのニーズに応じて、取得する観測データの項目を柔軟にコントロールできることも大きなメリットです。もちろん、New Relicが機能面・非機能面で私たちの要件をすべてクリアしており、そのうえでコストメリットが大きいという話です」と続けた。

 

直感的に扱えるNew RelicのUI/UX

2024年8月、NTTデータグループの基幹ネットワークでNew Relicの本格的な活用が始まった。NFVにより仮想化されたネットワーク機器の監視、可視化ツールの統合とライセンスコストの削減、高精度かつ粒度の細かな観測と可視化、監視サーバーの監視を不要にしたSaaSモデル、取得する観測データの柔軟なコントロールなど――New Relicがもたらしたメリットは広範に及ぶ。

「New Relicは直感的な操作で扱えることもあり、習熟に要する期間も想定より大幅に短く済みました。オペレーターのスキルに左右されず、均質に基幹ネットワークの監視を行えるようになったことも重要です。New Relicのダッシュボードを関係者で共有することで、難しい問題での原因特定から解決までのフローを高速化できるものと期待しています」と川戸氏は話す。

NTTデータグループでは、エンドユーザーに対するサポート窓口としてクラウドサービスを活用したポータルを開設しているが、ここにNew Relicの情報を連携させて全社で共有する計画もあるという。基幹ネットワークのヘルスチェック情報を正しく共有し、エンドユーザーに適切な行動を促す狙いだ。

「自社ネットワーク内外のトラフィックが増加する中、SaaS/クラウドサービスとの連携部分で問題が発生した場合の調査はますます難しくなっています。New RelicでNTTデータグループ側の環境に問題がないことを確認できれば、SaaS事業者側と協力した問題解決もよりスムーズになるはずです」(星氏)

 

クラウドへと広がるNew Relicの活用

NTTデータ先端技術は、マネージドサービス領域の強化に力を注いでおり、その一環として顧客企業向けにNew Relicの導入・活用支援サービスを提供している。

「NTTデータグループ70社、8万ユーザーが使う基盤システムへのNew Relicの適用は、大規模なシステムやネットワークを運用する多くの企業にとって有益なモデルケースとなるでしょう。New Relicによる観測データの収集は着実に進んでいます。このデータをどのように活用していくかが次のチャレンジです。ハードウェアの正常性、リソース状況、トラフィック量、ログ、サービス状況など、様々な切り口でダッシュボードを整備しながら、データ活用のノウハウを蓄積していく考えです」と山中氏は力を込める。

基幹ネットワークの最新化とNew Relic導入という大型プロジェクトから得られる知見を、「ITサービスカンパニーであるNTTデータグループ全体で効果的に共有していきたい」と話しつつ、川戸氏は次のように結んだ。

「まずは、基幹ネットワークの最新化で私たちが掲げた『レジリエンス』の強化という目標の達成に向けて、New Relicの活用を進めていきます。今後は、プライベートクラウドにおけるサーバーやストレージ、パブリッククラウドのIaaS領域にNew Relicの活用を拡大していく計画です。New Relic日本法人には、NTTデータ先端技術と緊密に連携しながら、オブザーバビリティプラットフォームによる成果を最大化できるよう継続的な技術支援を期待しています」