ネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」の成長が止まらない。2012年11月、個人やスモールビジネスを対象にサービスを開始し、9年目にしてネットショップ開設数が140万件を突破。年間の開設数でも4年連続業界 No.1*となる快挙も達成した。専門的な知識が不要で、誰でも、簡単に、無料でネットショップを始められる洗練されたサービスが、「BASE」が大きな支持を集めている理由だ。BASE 株式会社のCTOとしてエンジニアチームを率いる川口将貴氏は次のように話す。
「誰もがインターネット上に自分の店を開ける、決済機能を持つことができる世界へ――私たちは “Payment to the People, Power to the People.” という企業ミッションを掲げてその実現に取り組んでいます。品質の高いプロダクトを開発し、「BASE」加盟店に収益性の高いビジネス基盤を、加盟店の購入者には快適なショッピング体験を提供し続けることが、エンジニアチームのミッションです。」
2020年、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の発令、外出自粛、店舗への休業要請などは、社会と暮らしに大きな変化をもたらした。一方で、ネットショップの新規開設とネットショッピング需要の拡大を強く後押しすることにもなった。
「予想を超えたアクセスとトランザクションの急増により、一部サービスで安定性が低下するなどの問題に直面しました。この時は、エンジニアチームが全力で対応して乗り切ることができましたが、問題再発のリスクを残していました。私たちは、『問題発生時の迅速な原因特定と対応』『問題発生を未然に防ぐための改善点の発見』を可能にする監視環境の強化を急ぎました」(川口氏)
「BASE」のSREチームではインフラやサービスを監視するためのツールを整えていたが、顧客のサービス体験全体の可視化や、アプリケーションのコードレベルでの不具合を特定することは困難だったという。
「サーバーサイドのアプリケーションパフォーマンス監視に利用してきたNew Relicを、2020年にフルスタックの『New Relic One』にアップデートしました。これを、SREチームを中心におよそ50ユーザーがNew Relic Oneにフルアクセスできる規模でユーザーライセンスを導入し、アプリケーション開発部門、ビジネス部門、マネジメント層までが共通基盤として活用するための環境整備を進めています」(川口氏)
*ネットショップ開設実績No.1: 最近1年以内にネットショップを開設する際に利用したカート型ネットショップ開設サービスの調査(2021年2月 調査委託先:マクロミル)