FutureStackのステージ(基調講演者の登壇を待っているところ)

FutureStack 2022の全ハイライトの概要をレポート。

ビル・ステープルズの基調講演

今年のFutureStackの幕を切って落としたのはNew RelicのCEOであるビル・ステープルズの基調講演で、プラットフォームの新機能の発表、製品デモ、当社のパートナーのハイライトなど、多岐にわたる発表が行われました。基調講演の全文をご覧になりたい方のために、基調講演を録画したビデオをfuturestack.comで6月1日から公開予定です。

クリス・グンダーソン氏(McDonald’sのデジタルソリューション・アーキテクチャー担当シニアマネージャー)、ファン・マーチン・パイ氏(Mercado Libreのシニアエンジニア)、ロビー・ベルソン氏(Verizonの企業戦略担当プリンシパルエンジニア)、サトヤ・プラカシュ氏(Foot Locker)といった様々なNew Relicユーザーにも成功体験を共有していただきました。さらに、Laceworkのチーフアーキテクトであるウルヴァル・アーリンソン氏に、New RelicとLaceworkがより安全なソフトウェアを開発するためにどのように協働しているかについて説明していただきました。

New RelicとLaceworkのロゴ

基調講演では、ディストリビューティッド(分散)トレーシング・トラブルシューティングなどのツールを紹介し、ライブデモも行われました。New Relicの戦略・エクスペリエンス担当シニアバイスプレジデントであるピーター・ペザリスは、お客様のIDEにコラボレーションツールを組み込むことで開発ワークフローを強化するツールCodeStreamのデモを行いました。CodeStreamはNew Relicの機能の一部としてご利用いただけます。Codestreamをまだ始めていないお客様は、今すぐにインストールして無料でお試しいただくことができます。 

製品とパートナーシップ

Microsoft AzureとNew Relicの複数年にわたるパートナーシップ

マイクロソフトのクラウド+AI担当エグゼクティブバイスプレジデントであるスコット・ガスリー氏がいくつかのエキサイティングなニュースを発表しました。New RelicとMicrosoftとの強力な関係がもたらした成果として、開発者はAzure Portal内のデフォルトのオブザーバビリティ・プラットフォームとしてNew Relicをネイティブに使用できるようになりました。こうしたMicrosoftとの戦略的パートナーシップは、企業がクラウド移行やマルチクラウドイニシアチブを加速させるのに役立ち、以下の4つの重要な柱で構成されています。

  • Azureにテレメトリを保存するオプション:Azure利用者はData Plus SKUにオプトインし、New Relicのテレメトリデータプラットフォームを希望するクラウド上で選択することができます。デジタルトランスフォーメーションおよびマルチクラウド戦略を連携させるのに役立ちます。
  • ネイティブなAzure Portal統合:New Relicは、エンジニアリングの取り組みにおいてMicrosoftと連携し、ネイティブに統合されたNew Relic オブザーバビリティソリューションをAzure Portal経由で提供します。
  • Microsoftに支払った分でNew Relicの機能を購入可能:Azureのお客様は、Azure MarketplaceからNew Relicを購入することでAzureのマネタリーコミットメント(事前支払いの年間Azure利用枠)を回収できます。これにより購入と契約の管理が簡素化されます。
  • 詳細なAzureサービスサポート:MicrosoftのサービスとNew Relicを高い次元で統合することにより、お客様がすべてのテレメトリデータを共通の領域へ送り、データを実践的なインサイトに変換することを可能にしました。
スコット・ガスリー氏がNew RelicとMicrosoftとのパートナーシップを発表

私たちは優れたオブザーバビリティ・ツールへの需要が高まっていると認識しています。Microsoftは、Microsoft Azureでアプリケーションを構築している数百万人の開発者に対し、New Relicとのパートナーシップを通じて本番環境のテレメトリツールとインサイトを提供することを可能にしました。これにより、New Relicを既に使用しているお客様はAzureの使用を容易に開始できるようになりました。

脆弱性管理

New Relicのソフトウェアエンジニアリング・セキュリティ・イノベーション担当シニアディレクターであるビル・ステープルズとジョナサン・カロンは新しい機能である脆弱性管理について説明しました。開発者は、既に使用しているセキュリティソリューションからネイティブの脆弱性検知と既存のセキュリティデータを容易に集計できるようになりました。DevOps、SecOps、NetOps、およびSREのようなエンジニアリングチームは、数分足らずでソフトウェアスタック内のすべての脆弱性について包括的な可視性を得ることができます。これにより、チーム全員がセキュリティギャップを理解してギャップを解消し、最終的にお客様のデータを保護することができます。

このブログ記事では、FutureStackに最近投入されたすべての機能と、New Relic がここ数ヵ月で投入したすべての機能の概要について説明していますので、是非お読みください。

FutureHack 2022

今年のFutureHackにご参加いただいた皆様に感謝いたします。受賞者は以下の通りです。

  • コンティニュアス・インテグレーション部門:ジャスティン・ホーキンスがCircleCIの構築にNew Relicを組み込むプロジェクトで受賞
  • ビルディング・サムシング・アメージング部門:ダイアン・エステベスとケダシャ・カー(チーム・オープン・セサミ)がNew RelicにIoTをインストルメントしたプロジェクトによって受賞
  • ベスト・ニュー・ハッカー部門:デビッド・キャナスが技術記事の余白部分を使って新しいエンジニアを支援したことで受賞
  • モスト・ファン・アプリケーション部門:カート・ブライアンがオープンソースパワーダイヤラーのためのプロジェクトによって受賞
  • ベスト・オーバーオール・ハック部門:ジャクソン・レップとジェイク・コーエン(チーム・ハーパーDB)がAPIキャッシングとNew RelicモニタリングによるAPIレイテンシの短縮によって受賞。

ムーゲガ・クーパー博士からのインスピレーション

ムーゲガ・クーパー博士

NASAの惑星保護官であるムーゲガ(ムー)・クーパー博士は、「子供のような好奇心」を育むという自らの信念について語り、恐れずに、しかし理性的にリスクを取るよう聴衆を勇気づけました。さらにムー博士は、信頼できる環境の中で、失敗してもいいという余裕を持つことが重要だとも述べました。ムー博士にとって、そうした環境をつくることは、チームメンバーが協力し、様々な視点に耳を傾け、取り入れることを意味します。そして皆さんの期待通り、自分が仕事するうえで非常に重要な力となってきた粘り強さと献身、そして宇宙を航海するために人類が投じてきた努力についても話してくれました。

社会的インパクト

New Relicが新たな助成金プログラムを発表


New Relicは、米国の適格な非営利団体にテクノロジープロジェクトに使用するための無制限の資金を提供する10万ドルのインパクト基金を設立すると発表しました。このインパクト基金は、非営利団体によるテクノロジーの開発、New Relicの従業員による関与、そしてコミュニティパートナーのサポートを可能にする既存のプログラムをベースに設立されます。その目的は、最も重要な技術的障壁を解消する非営利団体の取り組みを支援することにより、非営利目的のテクノロジーとデジタルトランスフォーメーションの進歩に投資することにあります。

助成金の規模は1つのプロジェクトにつき5,000~2万5,000ドルで、NewRelic.orgが決定します。助成金は、戦略的または革新的な技術ニーズがあり、DXプロジェクトに取り組み、組織の効率性と有効性を高める創造的な解決策を持つ非営利団体を支援します。

プラッツィとのパートナーシップ

オンライン学習プラットフォームであるプラッツィは、New Relicの助けを得て、プラッツィで学習するすべての学生にNew Relic Student Editionを提供します。また、New Relicはプラッツィのプラットフォームにオブザーバビリティ・コースを追加します。このコースはすべてのクラウドエンジニアリング教育トラックに組み込む予定です。さらにNew Relicは2,000人の学生を対象とした奨学金のスポンサーとなります。これにより、より多くの学生がスキルを習得するためにプラッツィのプラットフォームにサインアップすることが可能となります。

「ジェイソンと学ぼう」のスポンサーシップ

「ジェイソンと学ぼう」は、ウェブ開発者のコミュニティから講師を招いて行う実践的な学習のためのライブ番組です。New Relicは、毎年恒例のスポンサーシップによって「ジェイソンと学ぼう」をサポートするほか、学生がアプリケーションを構築してそれを実装し、生成されたデータの使い方を学ぶオブザーバビリティ・ウィークに参加します。

Wilcoとのパートナーシップ

New RelicはWilcoとチームを組み、リーグ・オブ・オブザーバビリティというゲーム化された実践的プログラミングエクスペリエンスを構築します。Wilcoはさらに、現在のエンジニアリング上の課題にNew Relicのトラックを追加します。

クロージングハイライト

スティーブ・ウォズニアック氏によるクロージングキーノート

Appleの共同創業者であるスティーブ・ウォズニアック氏(「ウォズ」としても知られています)が、スティーブ・ジョブズ氏との仕事、Appleの立ち上げ、人間の脳の仕組みについて語りました。ウォズニアック氏は、電子がどのように流れ、原子がどのように構成されているかを、科学博覧会のプロジェクトを通して学びました。10歳のころはアマチュア無線機をつくっていました。ウォズニアック氏は、コンピューターをつくることが自分の情熱であると、他の誰かがそれをやっているのを知る前から気付いていました。コンピューターの価格が1軒の家と同じくらいだったころ、ウォズニアック氏は自分自身に約束をしました。それは、自分の家を持つ前にコンピューターをつくり、いずれは人々に手ごろな価格で提供するという約束です。

ウォズのFutureStackでの基調講演のビデオはFutureStack.comで6月1日に公開予定です。