New Relicアプリケーションのパフォーマンス監視(APM)は、貴社アプリケーションのあらゆる箇所を監視する柔軟性を提供します。これは、テレメトリデータを収集してNew Relicに送信するNew Relicエージェントの機能によって可能になります。そのため他のどんなソフトウェアとも同じように、エージェントを管理する、つまり最新の状態に保つ必要があります。このブログ記事では、エージェントをアップグレードすべき3つの主な理由と、それを行うためのベストプラクティスをご紹介します。

1. セキュリティの脆弱性を軽減する

エージェントをアップデートすべき第一の理由は、セキュリティです。攻撃者は古くなったソフトウェアの弱点を利用するため、機密情報の漏洩やファイルの改ざんなど、さまざまな問題につながる可能性があります。エージェントのアップグレードには、セキュリティの脆弱性に対処するソフトウェアのパッチが含まれることが多くあります。エージェントを更新しなければ、顧客やチーム、会社をリスクにさらしていることになります。

2. 監視機能の向上

エージェントのアップグレードでは、システムの可視性を向上させ、問題の発見と修正のプロセスを大幅に迅速化する新機能が頻繁に追加されます。以下に、最新のNew Relic APMエージェントから得られるメリットのいくつかをご紹介します。

  • ディストリビューティッド(分散)トレーシングでシステムの複雑性をデコードする:最新のAPMエージェントにはディストリビューティッド(分散)トレーシングが自動的に含まれます。ディストリビューティッド(分散)トレーシングでは、サービスのすべての依存関係を確認して個別のリクエストやエラーをすばやく掘り下げ、問題の根本原因を特定できます。
  • Logs in Contextトラブルシューティングを高速化する:最新のAPMエージェントでは、ログにコンテキストが自動で追加されます。サードパーティーのログフォワーダーを管理する必要はありません。New Relic APMのUI上で、ログやその他の関連テレメトリデータにアクセスすることで、コンテキストの切り替えを最小化し、問題のトラブルシューティングを高速化します。

  • 重大なイベントを記録、監視する:最新のアップデートにより、以前のエージェントに比べて3倍のカスタムイベントの定義、可視化、アラート設定が可能になりました。イベントデータは分散した事象を高レベルな詳細とともに提示し、運用するビジネスに適した詳細分析とクエリの作成を可能にします。
  • IDEの本番環境のテレメトリデータにアクセスする:最新のエージェントはCodeStreamサポートを提供するため、特定のコード行に関連するすべてのテレメトリデータを確認できます。CodeStreamを使用して、コードについて議論し、問題を追跡し、プルリクエストをレビューし、Errors inboxから直接IDEの関連コードに移動できます。

3. 技術サポートとバグ修正へのアクセス

ソフトウェアが古くなるにつれ、技術サポートのオプションは少なくなっていきます。技術サポートチームへのチケットは、結果として解決まで長い時間がかかるか、まったくサポートされないかもしれません。ソフトウェアチームは、最新エージェントのバグ修正と機能サポートに注力するため、古いソフトウェアのアップデートが難しかったり、または、それすら不可能な場合もあります。最新のエージェントにアップデートすることで、新しいバージョンが提供するバグ修正や機能の恩恵が受けられます。

エージェントをアップグレードする際のベストプラクティス

1. New Relicは、リリース後、可能な限り早期に、最新のエージェントバージョンへアップデートすることを推奨しています。もし組織内で、最新バージョンへアップグレードを妨げる運用が行われている場合、少なくとも過去90日以内にリリースされた最近のバージョンへのエージェントについて、定期的なアップデートを確実に行ってください。

2. いつアップデートすべきかを知るため、使用中のエージェントのバージョンを確認してください。アカウントのAgent Groundskeeperアプリをオンにして、どのエージェントが古いバージョンを使用しているのか特定できます。

3. すべてのサービスにインストールされたNew Relicエージェントを、同じバージョンに保つようにしてください。エージェントのバージョンが一致していないと、トラブルシューティングの処理に矛盾が生じる可能性があります。例えば、エージェントのいくつかがディストリビューティッド(分散)トレーシングデータをレポートする一方で、他のエージェントがレポートをしないと、トレースが不完全なものになり、複数のサービスにまたがる問題の原因特定がより難しくなります。

4. エージェントのデプロイとアップグレードを自動化してください。詳細については、文書のNew Relicエージェントのアップデートセクションをご確認ください。

5. New Relicエージェントに関するリリースノートを読み、最新の機能、強化、重要なセキュリティパッチのすべてのメリットを活用できるようにし、またサポート終了のお知らせを確認してください。RSSフィードを購読して、変更があった際に通知が届くようにできます。

New Relicのセキュリティ&コンプライアンスのスタッフであるSonya Juddが、本記事を担当しました。