【重要/EOL対応】New Relic AWS Metric Streams統合をご利用の方へ:AWS Lambdaランタイム更新のためのCloudFormationテンプレート更新手順
はじめに:AWS Lambda for Python 3.9 のサポート終了に伴う対応のお願い
日頃よりNew Relicをご活用いただき、ありがとうございます。
現在、New RelicのAWS Metric Streams統合をご利用中の皆様へ、重要なご案内です。本統合機能で利用されているAWS Lambdaのランタイム「Python 3.9」は、間もなくAWSによる標準サポートが終了(EOL: End of Life)を迎えます。
サポートが終了したランタイムを継続して使用することは、セキュリティ上のリスクや、将来的な動作不整合の原因となる可能性があります。このため、現在ご利用中の環境においても、サポートが有効なランタイムへの更新が急務となります。
この記事では、New Relicが公式に提供を開始した最新のAWS CloudFormationテンプレートを用いて、Lambdaランタイムを安全かつ確実に更新するための手順を、ステップバイステップで詳しく解説します。
なぜランタイムの更新が必要なのか
システムの可観測性を支える監視ツールもまた、一つの重要なアプリケーションです。その構成要素がサポート切れの状態になることは、監視システム自体の信頼性を損なうことにつながります。
EOLがもたらすリスク
AWS Lambdaのランタイムサポートが終了すると、主に以下のリスクが発生します。
- セキュリティアップデートの停止: ランタイムに新たな脆弱性が発見された場合でも、AWSからセキュリティパッチが提供されなくなります。これにより、意図しないセキュリティリスクを抱えることになります。
- 将来的な非互換性: AWSプラットフォーム側の仕様変更などにより、古いランタイムで動作している関数が、ある日突然正常に動作しなくなる可能性があります。
安定したデータ収集は、オブザーバビリティの根幹です。その基盤となるLambda関数を常に健全な状態に保つことは、システム全体の安定稼働を維持するために不可欠と言えます。
公式テンプレートによる更新内容
今回の更新は、New Relicから公式にリリースされた以下のリリースノートに基づいています。詳細はこちらでご確認いただけます。
- Release Note: Updated AWS CloudFormation templates
New RelicからリリースされたCloudFormationテンプレートは、これらの課題を解決するために提供されています。
このテンプレートを適用することで、AWS Metric Streams統合で利用されているLambda関数のランタイムが、現在サポートされている最新バージョンであるPython 3.13へアップグレードされます。
また、今回の更新は、従来のテンプレートに存在していた「特定の条件下でCloudFormationスタックの更新を妨げる可能性のあった問題」も同時に修正します。これにより、今後のメンテナンス性も向上します。
CloudFormationスタックの更新手順
それでは、実際の更新手順を解説します。AWSマネジメントコンソールにログインし、以下の手順に従って操作を進めてください。
手順1: CloudFormationのサービスページへ移動
まず、AWSマネジメントコンソールにログインし、サービス検索バーで「CloudFormation」と入力して、サービスページへ移動します。
手順2: 更新対象のスタックを選択
CloudFormationのダッシュボードで、現在New Relic AWS Metric Streams統合に使用しているスタックを選択します。スタック名は通常、NewRelic-Metric-Streams-
から始まる名前が付けられています。
対象のスタックを選択した状態で、画面右上の「スタックを更新」ボタンをクリックします。(変更セットを経由するか、直接更新するかは自社の運用ポリシーに従って選択してください。)
手順3: テンプレートの置き換えを選択
「スタックの更新」画面が表示されます。「テンプレートの準備」の項目で、必ず「既存のテンプレートを置換」を選択してください。
【重要】 ここで「既存のテンプレートを使用」を選択した場合、必要な更新が適用されません。必ず「既存のテンプレートを置換」を選択するよう、ご注意ください。
手順4: 新しいテンプレートURLを指定
次に、「テンプレートソース」の項目で「Amazon S3 URL」を選択します。表示されたテキストボックスに、以下のURLをコピー&ペーストしてください。
https://nr-downloads-main.s3.amazonaws.com/cloud_integrations/aws/cloudformation/newrelic-cloudformation-mstreams.yml
入力後、「次へ」をクリックします。
手順5: スタックの詳細を指定
次の「スタックの詳細を指定」ページでは、基本的に既存のパラメータが引き継がれるため、変更は不要です。内容を確認し、「次へ」をクリックしてください。
手順6: スタックオプションの設定とレビュー
「スタックオプションの設定」ページも同様に、特に変更は不要です。そのまま「次へ」をクリックして、最後のレビュー画面に進みます。
レビュー画面を一番下までスクロールすると、「AWS CloudFormationによってIAMリソースが作成される場合があることを承認します。」というチェックボックスがあります。このボックスにチェックを入れてください。
最後に、「スタックの更新」ボタンをクリックします。
手順7: 更新の完了を確認
スタックの「イベント」タブに移動すると、更新の進捗状況を確認できます。ステータスが UPDATE_IN_PROGRESS
から UPDATE_COMPLETE
に変われば、更新作業はすべて完了です。
まとめ
今回は、AWS Lambda for Python 3.9のサポート終了(EOL)に対応するため、New Relic AWS Metric Streams統合のCloudFormationテンプレートを更新する手順を解説しました。
- EOL対応の必要性: サポートが終了したランタイムを使い続けることによる、セキュリティや安定性のリスクを回避するために更新は不可欠です。
- 公式テンプレートの利用: New Relicが提供する最新のテンプレートを利用することで、Lambdaランタイムがサポート対象のバージョン(Python 3.13)へ更新されます。
- 更新手順の重要ポイント: 更新作業の際は、必ず「既存のテンプレートを置換」を選択し、指定されたS3 URLを使用してください。
オブザーバビリティを支える環境もまた、私たちが監視する本番システムと同様に、継続的なメンテナンスが求められます。お使いの環境を健全に保つため、お早めのアップデート実施を強く推奨します。
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