Oracle Cloud Infrastructure(以降 OCI)は、Oracle 社が提供しているパブリッククラウドです。他のパブリッククラウドと同様に、OCI にもさまざまなサービスがあります。本記事では、そのサービスの一つであるDatabase Cloud Service(以降 DBCS)に New Relic Infrastructure Agent を導入する流れをご紹介します。
DBCS は、仮想マシンの上に Oracle Database がインストールされたサービスです。ユーザが DBCS を利用する場合は、OS や Oracle Database の管理もユーザ自身で行うことになります。
New Relic でこの DBCS をモニタリングしたい場合は、OS や Oracle Databsae から情報を取得してNew Relic に入れる流れになります。そのためには、New Relic Infrastructure Agent をインストールしていただく必要がありますが、環境によってはインストール時にエラーが発生することがあります。特に作成したままの初期状態の DBCS だと、yum リポジトリが利用できないために Infrastructure Agent のインストールがドキュメントの通りに実施しても失敗します。今回は、初期状態の DBCS に対する Infrastructure Agent のインストールの流れをご紹介します。
検証した環境
以下の DBCS 環境を作成して検証しました。

DBCS の OS のバージョンは以下の通りです。
インストールエラーが発生する場合の手順と原因
まずは、ドキュメントに記載の手順で Infrastructure Agent をインストールしてみましょう。
libpq.so.5 に依存しているようですが、ダウンロードできなかったようです。
原因としては libpq.so.5 がダウンロードできないためですが、根本原因は DBCS を作成すると初期状態では OS を更新できない(yum リポジトリを利用できない)ようになっているためです。ですので、前提条件として OS を更新できる状態にする必要があります。
DBCS に Infrastructure Agent を導入する流れ
DBCS の OS を更新できるようにします。環境によって作業の流れが異なりますので、DBCS の OS 更新の前提条件や作業の詳細説明について OCI のドキュメント DBシステムの更新 を事前に確認してください。
それでは、DBCS の OS が更新できるようにしていきましょう。
これで OS の更新ができるようになりました。問題の libpq.so.5 は postgresql-libs から入手しますので、以下のようにリポジトリからダウンロードできることを確認しておきましょう。
それでは Infrastructure Agent をインストールしてみましょう。
正常にインストールできました。New Relic の画面でも DBCS のホストの情報が見えているかどうか確認しましょう。


問題なく DBCS のホストの情報が見えていますね。これで DBCS への Infrastructure Agent の導入は完了です。
最後に
OCI の DBCS に対して Infrastructure Agent を導入する流れをご紹介しました。DBCS から OS 更新ができるように事前準備は必要ですが、DBCS も New Relic で可視化できることがお分かりいただけたかと思います。DBCS のリソースも New Relic で見たい方は、是非本記事を参考に試してみてください。
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