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当社の繁忙期は年2回、欧州の夏とブラックフライデーのセール期間です。この繁忙期が来る前に、Kurt Geigerでは必ず技術チェックの儀式が行われます。そして、このチェックは多岐にわたります。当社では、英国とアイルランド全域の小売店に加え、特定のパートナー向けのB2Bビジネス向けに、合計5つのウェブサイトを運用しています。勝負の日々に備えるため、アラートの閾値を見直し、プラットフォームでさまざまなトグルを試行してオンオフの切り替えができることを確かめ、安全網から抜け落ちているシステムがないかどうかカバレッジのギャップを確認します。もし重大な問題があれば、すぐさまアラートが発出される必要があります。

コアウェブバイタルスコアを改善する

Googleのコアウェブバイタルは、自社サイトのパフォーマンスを判断する最も重要な方法のひとつです。コアウェブバイタルスコアが低ければ、Google検索のランキングに影響を及ぼしかねません。Google検索のトップにいれば、通常、サイトへのトラフィックは向上します。スコアが低いということは、キャッシュや読み込み時間、大型画像などの基本的なウェブサイトパフォーマンスに問題があることを意味します。幸い、Googleは何が問題かを示してくれるため、それを改善し、また改善していることが表示されるよう監視ターゲットを設定することもできます。

ベースラインを測定する

eコマースは、当社ビジネスの収益の30%-40%という大きな部分を占めています。サイトを訪問するユーザーは約25%が有料検索、次に多いのはオーガニックサーチで、ほぼ同数の23%です。成功を収めるには、お客様向けに優れたデジタルエクスペリエンスを構築する必要があります。これは、動作が速く、興味を惹きつけるウェブサイトを意味します。さらに重要なのは、決済と購入がスムースに行えるということです。

以前は、マーケティング代理店が改善すべき点を伝えてくれていましたが、彼らはコアウェブバイタルパフォーマンスの測定方法を知りませんでした。当社のマーケティングチームとエンジニアリングチームは、分断されていました。Google Analyticsのジェネリックグラフを見ていましたが、パフォーマンスの良し悪しは表示されても、あまり詳細なことはわかりませんでした。

そこで、コアウェブバイタルのスコアを改善するためのプログラムを開始することにしました。技術的な面では、MagentoからNew Relicへのデータ取り込みにカスタムの計装を行いました。New Relicのおかげでスコアははっきりと可視化され、スコアが45〜50と非常に低いことに、私たちはすぐに気づきました。成功のためには、80〜85のスコアを目指す必要がありました。

コアウェブバイタルダッシュボードにデータを集約する

私たちは、エンジニア、経営陣、デジタルチームが連携できるよう、New Relicにコアウェブバイタルダッシュボードを作成し、自社サイトで何が起こっているのか、また改善すべき点をそこに表示しました。これで、パフォーマンスが急上昇したかどうかを 1 日中確認できるようになりました。また、どの自動エラー解消とコアウェブバイタルメトリクスが影響を受けているかも確認できます。当社のエンジニアリングチームは、パフォーマンスが信頼できる唯一のソースとして、このダッシュボードと連携しています。New Relicクエリ言語(NRQL)でアラートを構築し、業界基準を下回った場合にはこのデータから警告が発せられるようにしています。

New Relicは、ファネルの良い例も示してくれました。これを、チェックアウトからホームページ、製品リスト作成まで、当社サイト全般のユーザーフローを理解し、ドロップオフエリアの潜在的な弱点を特定するのに使用しました。チェックアウトは、理解を深めたいと考えている領域のひとつでした。すべての顧客セッションからカスタムデータをダッシュボードに抽出し、これをキーメトリクスとしました。Next.jsからのこのデータが、チェックアウトの重要要素を含む各メトリクスの絶対値を与えてくれ、私たちはそこにアラートを設定しました。

New Relicでダッシュボードを作成し、Kurt Geigerがいかに自社のコアウェブバイタルスコアを改善したかについて話すChet氏。 

SEOを社内に移行する

このダッシュボードがもたらしたもうひとつの大きな変化は、SEOを自社エンジニアによる社内作業に移行できたことです。キャッシュ、サーバーサイドレンダリング、画像圧縮(ファッション分野では、きれいな画像や動画の多用が好まれます)やその他のいろいろなことを改善できました。今では、キーワードを最適化するためのSEOレポートの作成は、はるかに簡単になりました。SEOスタッフは、GoogleとNew Relicを使用して、技術的な変更のコアウェブバイタルへの影響を確認できます。

DevOpsとエンドツーエンドのオーナーシップを促進する

当社のコアウェブバイタルプロジェクトは、エンジニアリング、マネジメント、そしてデジタルと、従来は技術系ではないチームもひとつにしました。今では良い形で、パフォーマンスに関するチーム間のコミュニケーションが行われています。事後的な対応は激減しました。New Relicのデータが、顧客体験が良いか悪いかを証明してくれます。これは真のゲームチェンジャーでした。社内のDevOpsチームは、自分たちで完結できるようになりました。これらのダッシュボードを見れば、テストを依頼したりパフォーマンスエンジニアに頼らずとも、何が起こっているかをリアルタイムで理解できます。自律性を得られたことが、最大の成果です。チームは、彼ら自身でアラートの設定、監視ができ、コーディングから本番環境まですべてを運用しています。

プロジェクト開始から6か月後、当社のコアウェブバイタルのスコアは、45〜50から85〜90へと飛躍しました。期待以上の成果です。サイトの表示が遅いという顧客からの苦情もなくなりました。私たちは、顧客の99%に優れたエクスペリエンスを提供していると確信しています。