ダッシュボードの背景とノートパソコンを使用するエンジニア、New Relicのエンジニア向けデータ

* 本ブログは、Estimate your data ingest costsの抄訳です。

New Relicの従量課金制の価格設定モデルを利用する組織にとって、コストに影響を及ぼしうる要因はいくつかあります。このブログをお読みいただき、New Relicのデータ取り込み量の見積もり方法にお役立てください。

はじめに:従量課金制の価格設定モデルを理解する

まずは、New Relicの従量課金制の価格設定モデルの仕組みと、請求額に影響する項目をよく理解する必要があります。なお、毎月100GBの取り込みデータは無料です。こちらのドキュメントで、無償で利用できる機能についてご確認ください。

見積もる方法をいくつかご紹介します。

ベストオプション:テスト用のNew Relicアカウントで使用量を推定する

コストをかけることなく、New Relicに無料でご登録し、ご利用いただけます。データ取り込み量を可視化することで、簡単にデータの発生元を特定したり、必要なだけデータ取り込み量を調整できます。

取り込むデータ容量は、監視対象の種類、使用する機能、監視対象のアプリケーションの動作などによって、New Relicの組織ごとに異なる場合があります。

どのくらいの容量のデータ取り込みが必要かを正確に予測するためには、データ取り込みに影響するさまざまな要因を理解することが不可欠です。たとえば、Logs in Context 機能によりログ取り込みが増えた場合、どのくらい増えるかはログ行のサイズによって異なります。また、ログイベントが小さければ、増加の割合は高くなります。このような可変性を考えると、コスト見積もりの最適な方法は、テスト用のNew Relicアカウントをセットアップし、そこから使用量を推定することです。実際の使用量が、データマネジメントUIに表示されます。

以下は、使用量を理解するためのヒントです。

  • New Relicに登録したばかりであれば、自身が構築していく必要があるものと類似した環境でテストインストレーションを作成してみましょう。ご自身の環境を最適化するためには何が必要かを見積もるため、トライアルからベースラインの取り込みを使用します。
    • まず、無料アカウントを作成します
    • New Relicのデータ追加のページの手順に従い、データフローを開始します。APM、インフラ監視、ログは、多くの組織データの大部分を生成する傾向がありますが、組織によって異なる可能性があります。
  • 既存のお客様は、アカウントから利用情報をご利用ください。データマネジメントハブ内か、新規または追加の取り込みを見積もるためにデータ取り込みのクエリを行うことで確認できます。

以上が、必要な処理のすべてです。使用量を把握し、データ取り込みコストを見積もるには、これが最善のオプションとなります。

2つ目の方法:コスト見積もり用スプレッドシートを使用する

前述した通り、データ取り込みとその関連費用は、アーキテクチャーとNew Relicの設定によって、アカウントごとに大きく異なります。そのため、使用量の予測には上述したNew Relicのアカウント作成し見積もる方法を強くおすすめします。テスト用のNew Relicアカウントを作成しシミュレーションできない場合は、見積もりコストの概算が自動入力されるコスト見積もり用スプレッドシートを使用できます。

コスト見積もり用スプレッドシートは、組み込み予定の数量(貴社の使用事例に合致するとは限りません)に沿った簡易入力にもとづく、方向性の検討と概算にご使用ください。これは実際のコストを保証するものではありませんが、概算を出すことができます。はじめに、このGoogleスプレッドシートの複製を作成します。

このスプレッドシートは、2種のデータオプションから1つを選べます。GBごとに0.50米ドルのData Plusと、GBごとに0.30米ドルの基本データオプションです。もし貴社組織が異なるデータコストを導入しているのであれば、その違いに合わせてコストの見積もりを調整する必要があります。

仮想シナリオにおけるNew Relic、Dynatrace、およびDatadogに関するフルスタックオブザーバビリティ(Full-Stack Observability)の月次コスト比較の概要

この見積もりシートで使用するデータ取り込みレートを確定するために、New Relicはさまざまな規模の既存のお客様組織を約1万件分析し、計算に使用する取り込みレートを決定しました。なお、毎月100GBのデータ取り込みは無料です。

次のセクションでは、スプレッドシートのそれぞれの箇所の使い方についてご説明します。なお、このスプレッドシートで得られるのはあくまで見積りであり、実際のご請求を拘束するものではありません。

APMエージェントのデータ取り込み量を測定する

データ取り込みレートは、ホストごとではなく、エージェントごとに測定されます。1つのホストを監視する複数のエージェントがあるかもしれません。

スプレッドシートのAPMデータ量のセクションでは、APMエージェントからのデータ取り込みレートが低い、中程度、または高いのか見積もります。すべてのAPMエージェントタイプのデータ量の平均が、スプレッドシートの計算に設定されています。このセクションを入力する際は、以下の質問についてご確認ください。

  • デプロイするAPMエージェントはいくつあるか?
  • どんなタイプのアプリケーションを監視するのか?(アプリケーションの使用法と、そのアプリケーションの複雑性を理解することが重要です。たとえば、eコマースのアプリケーションは、内部アプリケーションよりはるかにスループットが高くなります。)
  • データ取り込みレートを高める要因となる機能を使用するか?

基準となる質問の詳細について、以下を見ていきましょう。

APMエージェントごとの取り込みレートの算出基準

一般的に、インテグレーションおよびビジネスティア、大規模なB2Cサイト、または重要なカスタムインストゥルメンテーションやメトリクスのあるアプリケーションでは、高いデータ取り込みレートを使用します。以下のケースではHigh(高)を選択します。

  • 高いスループットとエラー数が予測されるアプリケーションの動作と環境、またアプリケーションが本番環境の場合
  • 複雑なアプリケーションアーキテクチャー(たとえば、1つのフロントエンドリクエストが複数のバックエンドリクエストを発生させるなど)
  • キートランザクションの数が多い
  • カスタムインストゥルメンテーションとAPMメトリクスがある
  • 多くの属性を持つトランザクション

これらの説明を参考に、以下の手順でAPMデータエージェントの取り込みをスプレッドシートに追加します。

  1. 監視予定のAPMエージェントの数を追加します。
  2. エージェントに必要な取り込み量を概算し、オプションから1つを選択します。一般的に、標準価格設定版(新規組織がはじめに使用するバージョン)を使用している場合、おそらくLow(低)を選択するとよいでしょう。

データ取り込みの管理方法については、データ取り込みの管理を参照してください。

インフラストラクチャーのエージェントデータ取り込み量を測定する

インフラストラクチャー監視のデータ取り込み量の測定は、保有するホストおよびインテグレーションの数と、それぞれが報告するデータ量によります。

インフラストラクチャーの取り込み量を計算する際、以下の質問について考えてみてください。

  • 必要なインフラストラクチャーエージェントの数は?
  • どのインテグレーションが高いデータ取り込みレートの要因となるか?以下はおおよその量です。また、環境の規模も考慮に入れる必要があります。大規模な環境下で、これらのレートは正確ではない場合があります。

これらの説明を参考に、スプレッドシートにインフラストラクチャーのエージェントデータ取り込みを追加してください。

  1. スプレッドシートのステップ3で、想定されるインフラストラクチャーエージェントの数を入力します。これを決定するには、インフラストラクチャーエージェントを実行したいホスト数を検討してください。
  2. ステップ4で、インフラストラクチャーの規模に合わせて量を割り当てます。
  • オンホストインテグレーションがない場合は、基本の取り込みレートをLow(低)として始めてみてください。
  • インテグレーション数とそれらのインテグレーションの量に応じて、Medium(中)またはHigh(高)に調整してください。大規模なフットプリントのクラウドインテグレーションがあるか、またはオンホストインテグレーションのデータベースが多数あるか、複数または大規模なKubernetesクラスタがあるかなどをご検討ください。例:
    • クラウドやオンホストインテグレーションなど、複数の低〜中程度のインパクトのインテグレーションを実行している場合、Meduim(中)の取り込みレートを選択します。
    • 3種すべてのタイプのインテグレーション(オンホスト、クラウド、コンテナ)を実行していたり、非常に大規模なKubernetes環境を監視している場合、取り込みレートはHigh(高)を選択します。

データ取り込み管理の詳細については、データ取り込みの管理を参照してください。

ログデータ取り込み量を測定する

このセクションでは、GBでの取り込み量の見積もりを追加します。

ソフトウェアツールはそれぞれログデータの測定方法が異なるため、既存の実施からのNew Relicのログ量のベースラインの見積もりを確立するのは簡単ではありません。

ログ量を見積もる最善の方法は、ログデータのサンプル量を送信することです。ログイベントはJSONオブジェクトとして保存、測定され、つねにディスクのオリジナルの生ログより大きくなります。

このプロセスについては、データ取り込みの管理をご覧ください。

データのオプション

GBごとの取り込みデータ価格は、貴社組織の契約によって異なる可能性があります。スプレッドシートには、2つの主な価格設定があります。

  • Data Plusの価格設定は、GBあたり0.50米ドルです。
  • 標準価格を採用しているオリジナルのデータオプションでは、GBあたり0.30米ドルです。

詳細については、データオプションをご覧ください。

保持期間の延長を追加する

各データソースについて、データ保持期間の設定を調整できます。保持期間とベースラインについては、データ保持期間をご覧ください。

保持期間に関する検討事項は以下の通りです。

  • 既存の保持期間(基本データオプションではデフォルトの保持期間、Data Plusオプションでは90日間)に加えて、1カ月(30日)の保持期間延長の追加費用は、1ヶ月の延長につき、GBあたり0.05米ドルです。
  • 保持期間は、最大395日まで、すべてのネームスペースに均等に追加されます。保持期間は、1つのネームスペースのみ(ログまたはカスタムイベントのみなど)の延長はできません。増加分のレートはすべての取り込みデータに適用されます。

スプレッドシートのセクション6で、希望する保持期間の月数を選択します。

算出された見積もりを表示する

保持期間延長のセクションを入力すると、合計の見積額がスプレッドシートのCalculations(計算)に表示されます。

その他の潜在的なデータ取り込みコスト

この請求計算は新しいお客様向けに設計されたため、新しいお客様のケースに多い実施やコスト項目を使用します。たとえば、ブラウザ監視、モバイル監視、ネットワークパフォーマンス監視、その他のサービスについてのコスト見積もりは提供していません。

なお、基本のアラート機能と合成監視はデータ取り込みには寄与しません。

多くの組織において、これらのその他コストは、スプレッドシートで検討、計算されるコストの約5%程度にしかならないことがほとんどです。ただし、その他のツールの高いレベルのデータ取り込みにより、金額が上がる可能性があることにご留意ください。

請求にかかわるその他の要因

データ取り込みは、請求にかかわる要因のひとつです。請求対象のユーザー数など、他の要因について知りたい場合は、従量課金制の価格設定をご覧ください。