今回より数回にわたって、New Relicを初めて使ってみる方向けの情報をご提供したいと思います。第一回はNew Relicのコンセプトと全体像についてです。
New Relicとは?
New Relicと聞いて、どのようなイメージが思い浮かびますか?多くの方が思い浮かべるのは、APM(アプリケーションパフォーマンス管理)のツール、というイメージなのではないかと思います。もちろんそれは正解で、New RelicはGartnerの"Magic Quadrant for Application Performance Monitoring"(アプリケーションパフォーマンス管理分野のマジッククアドラント)でも常にリーダーとして位置付けられています。
ただ、私たちが目指しているのはAPM、だけではないんです。New Relicは、あらゆるアプリケーションに対して、顧客体験(ユーザーエクスペリエンス)の向上を手助けすることを通じて、そのアプリケーションに支えられているビジネス、殊に最近ではデジタルトランスフォーメーションを成功させることを目指しています。
顧客体験向上のためのNew Relic
ここで、私たちが考える顧客体験について少し補足したいと思います。
わざわざ私が言うまでもないことではありますが、近年では様々なサービスがWeb上で提供されています。ショッピング、動画視聴、金融口座やIoT家電の管理、などなど。人々はこれらのサービスをWebブラウザ経由で利用したり、スマートフォン上のアプリ経由で利用したりしています。
なぜ人々がこれらのサービスを利用しているかというと、そのサービスが便利だったり、わくわくさせるものであるといった、利用者にとってのメリットがあるからです。ただ、たとえサービスそのものが利用者にとってメリットがあっても、利用している間に
- Webサイト上でショッピングをしようとしたら決済の画面で急にエラーが出た
- 見たい動画を探す際、候補一覧を表示するのに時間がかかる
- スマートフォンアプリがしょっちゅう落ちる
という事態に直面したとしたら、どのように感じるでしょうか?
おそらく不安を感じる、不満を覚える、ひいてはそのサービスを使うのをやめてしまう・・・ということにもつながりかねません。
つまり顧客体験とは、
1. そのサービスが提供しているもの自体が利用者にとって便利である、利用者をわくわくさせる
というサービス自体の価値と、
2. 利用者がそのサービスをエラーが出るとか動きが遅いといった問題に直面することなく、快適に使える(日本語では"さくさく動く"とか表現しますね)
というサービスの信頼性との2つから成り立っていると言えます。
New Relicは、後者のサービスの信頼性を高めることを通じて顧客体験を向上させることを手助けするツールなのです。