New Relic Now Start training on Intelligent Observability February 25th.
Save your seat.

世界最大のビールメーカーがNew Relicを活用してデジタル時代に流れを維持

地域
Business Challenge
Company Size
182,915

Anheuser-Busch(アンハイザー・ブッシュ)といえば、Budweiser(バドワイザー)の缶ビールやクライズデール種の馬を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、こういった象徴的なイメージが語っているストーリーは、ほんの一部に過ぎません。Anheuser-Buschは、100年以上前にミズーリ州セントルイスで設立され、現在もBudweiserを主力商品とし、クライズデールのチームが赤、白、金のビールワゴンを牽引し続けています。

現在の社名はAnheuser-Busch InBev(AB InBev)となっていますが、これは、2008年にInBev(ベルギーを拠点とするInterbrewとブラジルの醸造業者Ambevが2004年に合併して設立)がAnheuser-Buschを買収したためです。ベルギーのルーヴェンに本社を置き、50か国以上で事業を展開しているAB InBevは、500以上のブランドと無数の醸造酒を打ち出し、世界最大のビール会社となっています。

技術革新によって成功を醸造

常に技術革新に取り組んできたAB InBev(Anheuser-Buschはアメリカのビール会社として初めて低温殺菌を採用)は、2017年に再びテクノロジーに目を向け、デジタル変革の旅に乗り出しました。その目標は、データセンターをクラウドに移行し、DevOpsデプロイメントモデルを採用することで、ビジネスオペレーション、成長、カスタマーエクスペリエンスを最適化することです。

B2B事業をグローバルに展開するAB InBevにとって、この旅は、eコマースプラットフォームでの直接販売の強化を意味します。eコマースプラットフォームは、Webサイトとモバイルアプリから成り、バーのオーナーやレストラン経営者、小売店経営者が直接購入することができます。この取り組みを実現するだけでなく、「早期に」実現することを任されたのが、AB InBevのエンジニアリング担当グローバルディレクター、Yang Tang氏と、デジタルソリューション担当グローバルディレクター、Eduardo Juarez氏でした。eコマースプラットフォームによる当時の売上は、B2B全体のわずか10%でしたが、それを3年以内に50%(360億ドル)にまで押し上げることを目標としたのです。

しかし、AB InBevの消費ポイント(POC)モデルをデジタルビジネスに変換するという、ただでさえ大きな課題に、9つの地域ゾーンがそれぞれ自律的に取り組んでいたことから、その目標達成はより一層困難なものとなっていました。

Tang氏は次のように説明しています。「当初はプラットフォームが9つあり、それぞれ別の地域の別のグループが構築していました。その上、ほとんどの作業を外注に出していたのです。Webサイトやモバイルアプリのパフォーマンスをまとめて確認することはできず、説明責任もほとんどなかったため、どのような状況にあるのかを把握することは不可能でした」

Tang氏はさらに次のように続けます。「ビジネス全体のレスポンスタイムを示すデータがなかったため、戦略的な議論を行うことができませんでした。さらに、そういったデータなしには、問題解決やパフォーマンスの改善を迅速に行うことはできなかったのです」

新しいプラットフォームの主要な目標としてパフォーマンス向上を掲げるAB InBevは、新製品の継続的な配信を促進するDevOps手法の採用も検討していました。ここでも重要なのは可視性でした。新しいリリースを配信する前に検証する必要がありましたが、システム全体のパフォーマンスを把握できなければ、リリースの影響を正確に測定することはできませんでした。

フルスタックモニタリングで日々のデータを取得

AB InBevがデジタル変革の真のメリットを享受するためには、新たに採用したDevOpsのアプローチの確立とeコマースオペレーションのパフォーマンス向上に必要なデータを提供できるモニタリングソリューションが必要であり、それはTang氏とJuarez氏も明確に理解していました。

AB InBevはすでにUpTrendsを使ってインフラストラクチャのパフォーマンスをモニタリングしていましたが、そのツールは、クラウドサービス用のAmazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azure、eコマース用のMagento、マイクロサービス用のKubernetesとDockerなど、B2B部門の膨大な技術スタックのほんの一部しかカバーできていませんでした。

Tang氏は1年前の就任時に、あることに気づいていました。それは、New Relic APMを導入しているにもかかわらず、そのモニタリングツールを活用できていないことでした。この状況が変わったのは、システムが停止したときでした。Tang氏とチームは、New Relicのサポートを得ながら、AB InBevの本番アプリにAPMをデプロイし、カスタムインストゥルメンテーションを適用して、週末中に問題を解決しました。AB InBevはこの時から、New Relicを大いに活用していくようになります。

その後1年以内に、APMに加えて、New Relic SyntheticsNew Relic BrowserNew Relic MobileNew Relic InfrastructureNew Relic Insightsを含む完全なNew Relicプラットフォームを導入しました。

Juarez氏にとって、これほど喜ばしいことはありませんでした。

Juarez氏は次のように述べています。「New Relicは、問題の発生箇所を示してくれるので、基本的な問題を解決するのに役立ちました。今では、改善のための行動を起こし、ビジネスについてより効果的で焦点を絞った会話ができるようになりました」

モバイルの謎を解く

New RelicがIT環境全体にデプロイされたことで、AB InBevは、デジタル変革戦略とDevOpsデプロイメントモデルを確立できただけでなく、より多くのことを成し遂げられています。

その一例が、AB InBevのモバイルアプリに関することです。アプリ経由の売上が一部の地域で落ち込んだ際、当初はその理由がわかりませんでした。アプリがクラッシュしているのか?カートのエラーが起きているのか?それともただ単に、サイトが苦痛を感じさせるほど遅いのか?

AB InBevチームは、カスタマイズされたインサイトダッシュボードを確認することで、問題をすばやく特定することができました。AB InBevのお客様の多く、特に中南米のお客様は、最新の携帯電話を購入する余裕がない、あるいは高価なスマートフォンを使っていると、地域によっては盗まれる危険性があるといった理由から、古い携帯電話を使用していました。古い携帯電話では通常、RAMの上限が1ギガバイトであるため、最新のデバイス用に最適化されたAB InBevモバイルアプリを実行するためのリソースがなかったのです。

解決策は単純で、低価格帯の携帯電話でも利用しやすいようにアプリを再設計することでした。ただしNew Relicがなければ、AB InBevは問題を特定することも、問題を修正することで数十万人のユーザーエクスペリエンスを改善することもできなかったでしょう。

New Relicが役立ったもう1つの分野は、AWSの費用と使用状況の測定です。Tang氏は次のように述べています。「ログやさまざまなデータソースを手作業で調べ、各国のAWS利用料金を手動で算出しなければならなかったとしたら、複数の地域のAWSへの移行は悪夢となったでしょう。New Relicでは、費用計算のデータを1つのダッシュボードに表示できるので、簡単に把握できます。これにより、各地域の使用量を正確に割り当てることができ、グローバル規模でビジネスを管理しながら、各地域のニーズに応えることができました」

こういった経緯があり、AB InBevはNew Relicサポートによる迅速かつ効率的な支援に信頼を寄せています。Juarez氏は次のように述べています。「チケットを作成すると、New Relicチームから5分以内に返事がくることがあります。問題を迅速に解決できるよう、懸命に取り組んでくれています」

「New Relicのおかげで、明確なロードマップを得られて、何を改善すべきか、どこを改善するのが最善なのかを把握できるようになりました。New Relicは、その方法を支援してくれています。その結果、問題が起きているコード行まで特定することができ、説明責任を果たせるようになりました」

Pinpointing problems with mobile

Today, with New Relic deployed throughout AB InBev’s IT environment, the brewer has gone far beyond just confirming its digital transformation strategy and DevOps deployment model.

Take the company’s mobile app: When sales via the app were down in some zones, the company had no idea why. Was the app crashing? Were there cart errors? Or was the site just agonizingly slow? By consulting their customized Insights dashboards, the AB InBev team was able to spot the problem quickly: Many of the company’s customers, especially those in Latin America, were using older cell phones—either because they couldn’t afford the most up-to-date ones or because they were worried that their high-end smartphones would be stolen if they used them in certain areas. Those older phones, which are typically limited to just a gigabyte of RAM, simply did not have the resources to run the AB InBev mobile app, which was optimized for the latest devices.

The solution was simple: redesign the app to make it more accessible for lower-end phones. But without New Relic, AB InBev would not have been able to pinpoint the problem—or subsequently improve the experience of hundreds of thousands of users by fixing it.

Another area in which New Relic has been helpful is in measuring AWS cost and usage. “Migrating different geographic zones to AWS would have been a nightmare if we’d had to manually dig through logs and various data sources to figure out how much to charge each country for its AWS usage,” explains Tang. “With New Relic, it’s been easy because we can display that costing data in a single dashboard. As a result, we were able to accurately allocate usage in each zone—meeting the needs of each region while managing the business on a global scale.”

Through it all, AB InBev has relied on the swift and efficient assistance of New Relic support. Says Juarez, “Sometimes I’ve created a ticket, and within five minutes the New Relic team has responded. They work hard to solve my problems quickly.”

ログやさまざまなデータソースを手作業で調べ、各国のAWS利用料金を手動で算出しなければならなかったとしたら、複数の地域のAWSへの移行は悪夢となったでしょう。New Relicでは、費用計算のデータを1つのダッシュボードに表示できるので、簡単に把握できます。これにより、各地域の使用量を正確に割り当てることができ、グローバル規模でビジネスを管理しながら、各地域のニーズに応えることができました。

お客様の渇きを潤す優れたオンラインエクスペリエンスを創出

New Relicは、AB InBevのDevOpsデプロイメントモデルを検証し、クラウドへのリフトアンドシフト移行を促進することで、New Relicの価値を確かに証明しましたが、Tang氏が高い成果を発揮していると確信している分野の1つは、お客様向けオンラインエクスペリエンスの向上です。

販売がすべてであるeコマースサイトでは、ショッピングカートの放棄は大きな問題です。価格設定エンジンの動作が遅く、注文を完了する前にユーザーが離れてしまうことに気づいたとき、Tang氏とそのチームは、問題の大きさを把握するためにNew Relicに目を向けました。

Tang氏は次のように述べています。「New Relicでは、お客様が価格設定エンジンで約8秒の遅延を経験していることが分かりました。そこで、この時間を短縮するための戦略的な取り組みを行い、100ミリ秒まで短縮することができました。結果的に、カスタマーエクスペリエンスが向上し、購入の完了件数が増加しました」

AB InBevはさらに、完全なNew Relicプラットフォームを導入して以来、インシデントの平均解決時間(MTTR)が80%短縮され、平均停止間隔(MTBO)も改善されています。この点からも、お客様のモバイルアプリのエクスペリエンスが改善されていることが実証されています。

デジタル変革に関しても、New Relicプラットフォームの貢献により順調に進んでいます。Juarez氏は次のように述べています。「DevOpsへの移行は、AB InBevにとって大きな文化の変化を意味します。当社の目標は、利用する請負業者の数を減らし、より多くの資産を所有し、環境をより効果的に維持することです。New Relicから提供されるインサイトにより、これらの目標を達成するための意思決定を、自信を持って下すことができます」 

Tang氏も同意見です。「アウトソーシングモデルから、主に社内のDevOpsモデルに移行するためには、まだまだやるべきことがたくさんあります。しかし今では、New Relicのおかげで、明確なロードマップを得られて、「何を」改善すべきか、「どこを」改善するのが最善なのかを把握できるようになりました。New Relicは、その方法を支援してくれています。その結果、問題が起きているコード行まで特定することができ、説明責任を果たせるようになりました」