はじめに
AWSインテグレーションを行う際にはいくつかの作業が必要になりますが、管理対象のNew Relic / Amazon Web Serviceアカウントが増えてくると、UIから都度設定を行うのは大変かと思います。
本記事ではインテグレーションのコード化したい方に向け、Terraformを使用しサンプルコードに対する解説及び、設定方法を紹介します。
また、本記事を通してAWSインテグレーションが何によって構成されているかを知り、New Relic : AWS が 1 : 多となるようなより複雑な環境での構成管理の足がかりになりますと幸いです。
Terraformの実行環境を準備する
本記事ではTerraformがインストールされたことが前提となります。
インストールされていない方は、こちらからインストールを実施しています。
本記事執筆時点での確認は下記のバージョンで行っています。
今後の機能変更などにより掲載の設定が機能しなくなった場合はご了承ください。
サンプルコード実行環境の準備
それでは早速AWSインテグレーションのサンプルコードをダウンロードし、準備していきましょう。
サンプルコード実行にあたり、New Relic / AWS providerの設定が必要になります。
準備したサンプルコードcloud-integrations-aws.tfと同じディレクトリに任意の名前(例: provider.tf )でファイルを作成します。
※New RelicおよびAWSのリージョンにつきましては、ご利用の環境にあわせ設定ください。
Terraform実行しリソースを作成する
Terraformを初期化(init)後にplanを実行し、問題ないようであれば実行(apply)します。
terraform plan/apply実行に際し、対象New RelicアカウントのアカウントID及びユーザーAPI key(NRAKからはじまるkey)の入力を促されますので、前もって準備しておく必要になります。
AWSインテグレーション設定の流れ
AWSインテグレーションは下記の操作によって実現されています。
本記事では、これらを順を追ってTerraformで実行します。
- New Relicと対象プロジェクト間で連携に使用するIAMロールを作成する
- New Relicと対象AWSアカウントの間でStream連携を行う
- New Relic Ingest License Keyを作成する
- AWS Kinesis Data FirehoseからNew Relicに対するデータ送信設定を行う
- AWS CloudWatch Metric Streamsを設定する
- New Relicと対象AWSアカウントの間でAPI polling連携を行う
- AWS Cloud IntegrationでAPI pollingの設定を行う
AWS CloudWatch Metric Streamsの統合とポーリング統合の併用について
AWS CloudWatch Metric Streamsの統合は、CloudWatchメトリクスに重点を置いています。そのため、下記サービスを統合対象としたい場合は手順6及び7でポーリング統合を追加で設定する必要があります。
- AWS Billing
- AWS CloudTrail
- AWS Health
- AWS Trusted Advisor
- AWS X-Ray
参考資料: Amazon CloudWatch Metric Streamsの統合の紹介 - メトリクスストリームに置き換わらない統合機能
サンプルコード解説
それでは、AWSインテグレーション設定の流れに沿ってサンプルコードについて解説していきます。
1. New Relicと対象プロジェクト間でのIAMロールを作成する
IAMロールを作成したうえで、ポリシーを付与します。
アクセス許可を最小限に抑えたい場合は、resource aws_iam_policy.newrelic_aws_permissionsを調整いただく形となります。
2. New Relicと対象AWSアカウントの間でMetric Streams連携を行う
手順1で作成したIAMロールを対象に、Metric Streams連携の設定を行います。
Metric Streams連携を行うと、インテグレーション Production Push が作成されます。

3. New Relic Ingest License Keyを作成する
AWSからNew Relicへデータを送信する際に必要なIngest License Keysを作成します。
4. AWS Kinesis Data FirehoseからNew Relicに対するデータ送信設定を行う
Kinesis Data Firehoseに関連する下記のリソースを作成します。
- Firehose用IAMロール作成
- S3バケット作成
- Data Firehose 配信ストリーム作成

5. AWS CloudWatch Metric Streamsを設定する
CloudWatch Metric Streamsに関連する下記のリソースを作成します。
送信する名前空間を制御する場合は、aws_cloudwatch_metric_stream.newrelic_metric_streamにて exclude_filter ないし include_filter を設定します。
詳細はドキュメントをご参照ください。
- IAMロール
- Metric Streams
6. New Relicと対象AWSアカウントの間でAPI polling連携を行う
手順1で作成したIAMロールを対象に、API polling連携の設定を行います。
Metric Streams連携を行うと、インテグレーション Production Pull が作成されます。
※Production Push/Pullの切り替えはプルダウンメニューで行います。

7. AWS Cloud IntegrationでAPI pollingの設定を行う
Metric Streamsでは取得できない下記サービスの情報を統合管理したい場合は、対象サービスを設定します。
-
AWS Billing
-
AWS CloudTrai
-
AWS Health
-
AWS Trusted Advisor
-
AWS X-Ray

おわりに
以上、駆け足となりましたが各スタックに対しての作成方法となります。
AWSインテグレーション設定を行う際はNew Relic UIとAWS UIを行き来するなど煩雑な操作が必要になりますが、コード化することにより一括して設定を行うことができます。
多数のNew Relic / AWSアカウントを運用される方の助けになりますと幸いです。
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