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田中 聖士

New Relic 株式会社 第一営業本部 営業部長

日系システムインテグレーターにてプログラマーとしてキャリアをスタートし、営業職へと転向。その後 外資系企業でキャリアを重ね、2020年にNew Relic入社。入社以来、営業目標の連続達成と、対競合案件において無敗という実績を誇る。現在、SaaS/通信業/総合商社を担当する営業チームのマネージャーとしてメンバー育成にチャレンジ中。

―― 入社前、New Relicに対してどのようなイメージがありましたか?

入社前にNew RelicのWEBサイトをみましたが、よくわからない会社だと言うのが第一印象でした。営業職の方だと似たような印象を持たれる方も多いかと思いますが、サービス紹介には技術的な内容が多く、まったくピンと来なかったというのが正直なところです。その当時はアプリケーションパフォーマンス管理(APM)という機能が一推しだったのですが、インフラ監視ツールのSaaS版かな、くらいに思っていましたし、コンテナの話なども含めとにかく難しそうだなというイメージでしたね。

 

―― 難しそうだと感じたNew Relicへの入社について、不安はありませんでしたか?

私は人が新しいものを買うときには、感情で決めて論理的に理由付けをすると思っています。例えばみなさんも新しい洋服を買う時に、いちいち投資対効果なんかを考えないと思うんです。かっこいいとか、かわいいとか、沸いてきた感情で買うことを決めると思っています。感情が動いた後に、セール中だしなとか、他のブランドより安いな、みたいなことを後から理由付けされます。私はこの購買心理はB2Bでも同じではないかと思ってます。

New Relicにおいても、ビジョンや世界観に共感していただいて、面白い、使ってみたいと思ってもらうのが最優先です。もちろんROIについてのご質問を受けることは多々あるのですが、それは上申とか稟議用の後付けの話です。あくまで私の営業スタイルとしては、どのようにお客様の感情を揺さぶるか、「欲しい」と言っていただけるか、ということに注力してきましたので、扱うものが変わっても自分の営業スタイルならやっていける自信みたいなものはありました。ちなみに、外資系企業で10年強営業をしてきまして、恥ずかしくない実績を出し続けていますが、私自身はROIの提示をしたことは一度もないですね。

 

―― New Relicに入社後、オブザーバビリティという市場について、どのように感じていらっしゃいますか?

私はオブザーバビリティという市場は、まったく新しい市場と捉えています。New Relic入社以来 何百社ものお客様と話をしてきましたが、皆さん口を揃えて「監視ツールで監視できています」とおっしゃいます。監視全盛の時代においてオブザーバビリティを売るということは、例えるならガラケー全盛の時代にスマホを売っているような感覚ですかね。15年前、ガラケーユーザーに課題を聞いても、皆さん口を揃えて「携帯電話で外出先から電話がかけられています。困っていません」と言います。スマートフォンの世界を知らないためですね。そのように、日本においてはまだまだ潜在的なニーズに気付いていないお客様が多く、自分で市場を拓いているような感覚がありますね。

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―― 今で充分とお考えのお客様への営業活動は難しそうに感じましたが、どのようにアプローチされているのでしょうか?

私は徹底して顧客目線の話をするようにしています。ここでいう顧客というのは私が営業として対話をする企業ではなくて、その企業から見た顧客です。先ほどの「監視ツールで監視できています」という企業の方に「では、皆さんの顧客の監視はできていますか」と伺うと、皆さんお困りになります。

例えば、B2BのSaaS事業を運営している企業であれば、「この直近1時間で、どのユーザーのWEBページ表示速度が遅くなっているか、今わかりますか?」と伺った時に、答えられる方に出会ったことがありません。今や、多くの企業においてカスタマーエクスペリエンスの向上は至上命題にもなっているかと思いますが、実際の顧客の体験や挙動まで監視できている企業はほとんどないことがよくわかりました。

一方で、インフラ監視ツールを使い、サーバーのCPU使用率が何十%になったなどの指標はよく見ています。しかし、今やCPU使用率90%を超えたというのは本当に問題でしょうか。たとえ90%を超えていても、実際のお客様のWEBページ表示速度や、モバイルアプリのクラッシュなどに影響していなければ問題ないわけです。むしろ、パブリッククラウドが多く使われている現代においては、顧客体感に影響がなくCPU使用率が90%というのは、インフラリソースを効率的に使っているという話です。しかし、ほとんどの企業が顧客体感を監視できていないので、CPU使用率が高騰すると何か問題が起きているに違いないと思い込んでアクションを起こします。サーバーの再起動をしたり、サーバーを増やしたり大きくしたりといったことです。

こういった旧来の監視に基づくアクションの例や、現代における顧客目線でのモダンな監視の重要性を丁寧にお話ししていくことで、お客様が認識していない問題が明らかになっていきます。まずはお互いの目線を揃えるところからスタートですね。

 

―― 顧客目線でのアプローチをされると、お客様はどのような反応をされますか?

ビジネスとシステムの関係や、なぜ今の時代にオブザーバビリティが必要なのかを丁寧にお話しするとネガティブな反応はありません。

今はビジネスとシステムは切り離せない関係になっています。例えば調査会社*によると、全世界のGDPの6割強がモバイル、eコマース、クラウドなどのデジタルサービスで構成されると言われています。このデジタル化が進んだ世の中において、例えばモバイルアプリのクラッシュやWEBページの表示遅延といったシステムの挙動が、予約や決済での顧客離脱といったビジネス結果に大きな影響を与えるようになっているわけです。ビジネスなくしてシステムはない、システムなくしてビジネスはないという論点で、システムの挙動とビジネスへの影響をつなげて観測していくアプローチが必要と言うことをお客様に啓蒙しています。

(* IDC FutureScape: Worldwide Digital Transformation 2021 Predictions)

 

―― お客様の活用状況から、営業として新しい気付きはありましたか?

そうですね。ビジネス部門での活用で興味深い例があります。例えば、eコマースサイトを運営されている会社のビジネス部門の方ですと、コンバージョンレート(CVR)を気にされていますよね。WEBのトップページからアクセスして、ログインして、商品をカートに入れて、決済という流れの中で、どこでどれくらい離脱しているのか、という分析です。New Relicでフロントエンドからバックエンドまで全部繋げて観測すると、お客様の挙動とシステムの稼動が全部繋がって見られるわけです。つまり先ほどの全体のコンバージョンレートはもちろん、eコマースサイトのページの表示速度などのパフォーマンスとコンバージョンレートも繋げて分析することができます。

あるお客様では、決済時の表示速度が速い時と遅い時で離脱率に違いがあるかという仮説検証にNew Relicを活用いただいていました。結果的にシステムパフォーマンスの劣化によって売上の機会損失が出ているということが具体的な数字で把握できました。その上で、どこにパフォーマンス上のボトルネックがあるのか、原因は何なのか、というのも合わせてNew Relicでわかりますので、ビジネスとしての判断でインフラリソースを増強されたり、パフォーマンスチューニングを急いだりということをされていますね。

他にも、有名な予約サイトを運営されている企業においては、パフォーマンスと地域性を掛け合わせるとどうなるのかという仮説検証をされていました。その時は、東京と大阪でそれぞれ速い時と遅い時で比較していました。予約時にシステムレスポンスが5秒以上だった時、片方の地域では予約のコンバージョンにほとんど影響がなかったにも関わらず、もう一方の地域では20%ぐらいコンバージョンが落ちていることがわかりました。

こういったお客様の活用されている実例から、ビジネスとシステムを掛け合わせるとNew Relicで本当にいろんな仮説検証ができるんだなと実感しました。私個人としての意見ですが、New Relicのオブザーバビリティ・プラットフォームはお客様の体感からシステムの稼動、そしてビジネスを繋げて見ることができて、BizDevOpsを実現するコミュニケーションハブになる唯一のソリューションだなと感じており、New Relicの営業活動によってお客様のビジネスの変革と貢献にまで寄与できるんだという気づきがありました。

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―― New Relicの魅力やお客様への貢献が具体的にイメージできました。その他にも営業としての面白みや、やりやすさを感じる点はありますか?

大きく3つあるかなと思います。

1つ目は、日々システム開発や運用の現場で仕事をされているエンジニアの方々にアプローチできることですね。私は前職や前々職においてはCEO、COO、CIOといった取締役や役員の方々に営業を行ってきました。もちろん今もそういった役職の方にも営業するのですが、それに加えて実際に利用される方々にもきっちり訴求できて、ポジティブな評価をいただけることに面白みを感じています。

2つ目は、New Relicには本当に多くのユースケースがあるという点です。先ほどの事例でもあったように、地域性とパフォーマンスをかけ合わせたときに新しい知見と対策が生まれます。もちろんシンプルな統合システム監視みたいな使い方もあるわけですが、お客様の業種特性やロール、潜在的な課題に対していろんな訴求の切り口があるということに、とても面白みとやりがいを感じています。

最後に、New Relicはこの領域において、グローバルでも日本でもトップシェアのリーディングカンパニーというところですね。私自身は、今までのキャリアでも業界のリーディングカンパニーを選んできました。やはり機能やサービスの面で2番手や3番手だと、営業する上で政治や根回しなどの本質的じゃないところで勝負しないといけないことが多くなります。New Relicではそういった本質的ではないことに時間を費やさず純粋に営業力で勝負できますので、私自身は競合案件での負けというのは経験したことがありません。

 

―― 最後に、応募を考えている皆様にひと言お願いします

New Relicの日本法人はまだまだ若い会社ですし、プロダクト自身も日々どんどん進化を続けています。ですので、今日のインタビューにおける私のアプローチの仕方は未来永劫の正解だとは思っていませんし、今後私自身も試行錯誤を続けていくものと思っています。

そういった観点で、決まったテリトリーで決まったオペレーションで営業活動するのではなく、自分自身や仲間と共に創意工夫をして新しいアプローチを創り上げていくことに面白みを感じる方とご一緒したいと思っています。会社としても環境の変化に応じたいろいろな営業アプローチへのチャレンジを推奨している環境ですので、そういったことを楽しめる方にはきっとやりがいを感じていただけるものと思います。本日はありがとうございました。

(インタビュー:2022年10月付)