Amazon CloudWatch Internet MonitorとNew Relicを統合しインターネットのオブサーバビリティを強化

Amazon CloudWatch Internet Monitorは、インターネットの問題がAmazon Web Service（AWS）でホストされているアプリケーションのパフォーマンスと可用性にどのような影響を与えるかを可視化するサービスです。New Relicは、技術スタック全体の監視、ロギング、トレーシングを統合する包括的なオブザーバビリティプラットフォームです。インサイトとアナリティクスをリアルタイムに提供することで、New Relicは、企業が最適なパフォーマンス、信頼性、ユーザー体験を得られるように支援します。

この度、New RelicはAmazon CloudWatch Internet Monitorとの統合を発表しました。これにより、すべてのアプリケーションとインフラストラクチャのテレメトリーを監視する統合的かつ包括的なソリューションをご利用いただけるようになります。この統合によって最新のアプリケーションとインフラストラクチャを管理するうえでの複雑さが軽減され、ビジネス成果の改善に貢献します。インターネットのパフォーマンスと可用性に関するインサイトをリアルタイムで得られるので、企業はエンドユーザー体験に影響を与える問題を迅速に特定し解決することができます。

設定

AWS CloudWatch のメトリクスデータをNew Relicにレポートするには2つの選択肢があります。現在はAmazon CloudWatch Metric Streamsインテグレーションを使用する方法を推奨しています。他に、APIポーリングに依存する旧来のAmazonインテグレーションを使用することもできます。

ログデータは、Log ingestion Lambdaを使用してNew Relicにレポートすることができます。必ずLambdaにトリガーを追加し、国、都市、地域、都市圏レベルでInternet Monitorに対応するロググループを選択してください。

観測

New Relicの強力なダッシュボードとアラートシステムを使用すると、チームが問題を迅速に特定し解決できるため、ダウンタイムの削減や運用効率の向上に貢献します。IPプレフィックス、自律システム番号（ASN）、レイテンシ、可用性、健全性イベント、地理的データ、トラフィックパターンを追跡することで、インターネットサービスの健全性に関するインサイトをリアルタイムで得ることができます。

Amazon CloudWatch Internet Monitorでは以下のようなテレメトリーやデータポイントを利用できます。

• 健全性イベント：Internet Monitorがトラフィック内で大幅なパフォーマンス低下を検出すると、健全性イベントが作成されます。各健全性イベントには、影響を受けるクライアントの場所およびネットワークプロバイダー（ISP）といった情報が含まれます。
• パフォーマンススコアおよび可用性スコア（健全性スコア）：それぞれ、アプリケーションへのトラフィックのうちパフォーマンスや可用性の低下が発生しなかった割合を統計的に推定したものです。これらのスコアはCloudWatchメトリクスとしても使用できます。
  • 可用性スコアは、可用性低下が観測されていないトラフィックの推定割合を示すものです。Internet Monitorは、観測されたトラフィック総量と可用性メトリクス測定値から、低下が発生したトラフィックのパーセンテージを推定します。たとえば、エンドユーザーとサービス提供先のペアで可用性スコアが99%の場合、そのペアで可用性低下が発生したトラフィックは1%となります。
  • パフォーマンススコアは、パフォーマンス低下が観測されていないトラフィックの割合を示します。たとえば、エンドユーザーとサービス提供先のペアでパフォーマンススコアが99%の場合、そのペアでパフォーマンス低下が発生したトラフィックは1%となります。
• 転送バイト数と監視された転送バイト数：転送バイト数とは、AWS内のアプリケーションと、クライアントがアプリケーションにアクセスする各都市のネットワーク（所在地とASN、通常はインターネットサービスプロバイダ）間の送受信トラフィックの総バイト数を指します。監視された転送バイト数も同様の指標ですが、監視されたトラフィックのバイト数のみがこれに当たります。
• ラウンドトリップタイム：ラウンドトリップタイム（RTT）とは、クライアントユーザーがリクエストを送信してから応答が返されるまでの所要時間を指します。RTTをクライアントの所在地（都市などの地理的地域）間にまたがって集計する場合、その値は、クライアントの所在地ごとのアプリケーショントラフィック使用状況に応じて重み付けを適用します。

Internet MonitorのMetricsについてはInternet Monitor metric ドキュメントもご参照ください。

SlackやPagerDutyなどのツールにアラートを統合し、パフォーマンススコアや可用性スコアが低い場合に通知することができます。