デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する現代社会において、ユーザーエクスペリエンスの重要性は日々高まっています。同時に、ユーザーのプライバシー保護やデータセキュリティへの関心も急速に高まっています。この文脈の中で、カスペルスキーによる最新の調査で、New Relicが日本におけるウェブトラッキングサービスのトップ5に入ったことが報告されました。
この結果は、一見するとNew Relicがユーザーのプライバシーを脅かす可能性のあるウェブトラッキングサービスを提供しているかのような印象を与えかねません。しかし、実際にNew Relicが提供しているのは、デジタル エクスペリエンス モニタリング(DEM)と呼ばれる目的の異なるモニタリングサービスです。本記事では、カスペルスキーの調査結果を詳しく見ながら、ウェブトラッキングとDEMの違い、そしてNew RelicのDEMがいかにセキュリティとプライバシーに配慮しながらユーザー体験の向上に貢献しているかを解説します。
カスペルスキーの調査結果
2024年10月3日に発表されたカスペルスキーの調査によると、日本におけるウェブトラッキングの事象は年間387億件以上に上り、1日あたり平均1億610万件のインスタンスが記録されています。この驚異的な数字は、デジタル空間におけるユーザー行動の追跡行為がいかに普及しているかを如実に示しています。
調査は、GoogleやMicrosoft、そしてNew Relicなど、利用数が特に多い25種類のウェブトラッキングサービスを対象に行われました。これらのサービスは、ユーザーのオンライン行動を様々な角度から分析し、ビジネスインサイトを提供しているとされています。
ウェブトラッキングを取り巻く環境
ウェブトラッキングを取り巻く環境は急速に変化しています。個人情報保護の観点から、GDPRなどの規制やサードパーティークッキーの制限など、プライバシー保護の動きが強まっています。AppleやGoogleなどの大手テクノロジー企業が、トラッキング防止機能の強化を進めており、従来のウェブトラッキング手法の有効性が低下しています。
これらの変化は、ユーザーのプライバシー保護という観点では重要な進展ですが、同時にデジタルサービスの品質維持と改善にも新たな課題をもたらしています。この状況下で、オブザーバビリティという概念が注目を集めており、New RelicのDEMはこの概念を具現化したソリューションの一つです。
ウェブトラッキングとDEMの違い
ウェブトラッキング
ウェブトラッキングは、主にマーケティングや広告目的で個々のユーザーの行動を追跡する技術です。これには以下のような特徴があります:
個人を特定できる情報の収集
ユーザーの興味・関心の分析
広告のターゲティングへの利用
このようなトラッキングは、プライバシーの観点から懸念を呼ぶことがあります。
デジタルエクスペリエンスモニタリング(DEM)
一方、New Relicが提供するDEMは、ウェブトラッキングとは本質的に異なります:
目的:ユーザー体験の品質向上とシステムパフォーマンスの最適化
収集するデータ:個人を特定しない技術的指標(ページロード時間、エラー率など)
利用方法:システムの問題点の特定と改善、サービス品質の向上
DEMは、個々のユーザーを追跡するのではなく、サービス全体のパフォーマンスと品質を向上させることに焦点を当てています。
New RelicのDEM:セキュリティとプライバシーへの配慮
New RelicのDEMソリューションは、ユーザー体験の向上とセキュリティ・プライバシーの保護を両立させるよう設計されています:
データの匿名化:収集されるデータは個人を特定できない形で処理されます。
必要最小限のデータ収集:パフォーマンス改善に必要な技術的指標のみを収集します。
厳格なデータ保護ポリシー:収集したデータの管理と使用に関する厳格な基準を設けています。
コンプライアンスへの対応:New Relicは国際的なデータ保護規制に準拠しています。
透明性の確保:データの収集・利用方法について、明確な情報開示を行っています。
これらの取り組みにより、New RelicのDEMは、ユーザーのプライバシーを尊重しながら、デジタルサービスの品質向上を可能にしています。
DEMとオブザーバビリティ
New RelicのDEMは、より広範なオブザーバビリティの概念の一部です。オブザーバビリティとは、システム全体の状態を理解し、問題の根本原因を特定し、迅速に解決する能力を指します。DEMはこの概念を具現化し、特にエンドユーザーの体験に焦点を当てています。
オブザーバビリティプラットフォームとしてのNew Relicは、以下のような特徴を持っています:
包括的な可視性:フロントエンドのユーザーエクスペリエンスから、バックエンド、インフラストラクチャ、クラウドサービスまで、システム全体を可視化
根本原因分析:ユーザー体験に影響を与え得る問題の表面的な症状だけでなく、その根本原因をシステムのあらゆる層で特定
クロスシステム相関:異なるシステムやサービス間の相互作用を分析し、複雑な問題の原因を特定
DEMがもたらす価値
New RelicのDEMソリューションは、以下のような価値を企業にもたらします:
ユーザー体験の継続的改善:リアルタイムのパフォーマンスデータに基づき、サービスを最適化できます。
問題の迅速な特定と解決:エラーや遅延などの原因を素早く特定し、対処することができます。
ビジネスインパクトの可視化:技術的指標とビジネスKPIを関連付け、改善の効果を定量化できます。
プロアクティブな最適化:潜在的な問題を事前に特定し、予防的な対策を講じることができます。
これらの利点は、ユーザーの個人情報を収集・分析することなく実現されます。
結論:セキュアで効果的なデジタル体験の実現
カスペルスキーの調査結果は、デジタル空間におけるユーザートラッキングの広範な利用を明らかにしました。しかしNew RelicのDEMソリューションは、ウェブトラッキングが行われる目的とは異なり、セキュアで効果的なアプローチでユーザーのプライバシーを尊重しながら、デジタルサービスの品質を継続的に向上させることを可能にしています。
企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、競争力を維持・強化するためには、ユーザー体験の最適化が不可欠です。同時に、セキュリティとプライバシーへの配慮も欠かせません。New RelicのDEMは、これらの要求を高いレベルで両立させるソリューションとして、多くの企業から信頼を得ています。
デジタルサービスの品質向上とユーザーの信頼確保の両立に悩む企業にとって、New RelicのDEMは理想的な選択肢となるでしょう。セキュリティとユーザー体験の最適なバランスを追求する New Relicのアプローチは、デジタル時代における企業の成功に不可欠な要素となっています。
出典:https://www.kaspersky.co.jp/about/press-releases/vir03102024
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